研究課題/領域番号 |
62480208
|
研究種目 |
一般研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
神経内科学
|
研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
納 光弘 鹿児島大学, 医学部, 教授 (10041435)
|
研究分担者 |
井形 昭弘 鹿児島大学, 学長 (00010207)
出雲 周二 鹿児島大学, 医学部, 講師 (30143811)
|
研究期間 (年度) |
1987 – 1989
|
研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
|
配分額 *注記 |
6,600千円 (直接経費: 6,600千円)
1989年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1988年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1987年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
|
キーワード | HTLV-I / 成人T細胞白血病ウイルス / レトロウイルス / HAM / HTLV-I associated myelopathy / ミエロパチ- / ATL / HAM@TSP / レトロウィルス / ミエロパチー / HTLVーI / 痙性脊髄麻痺 / スローウィルス / ミオパチー / HTLVーIーassociated |
研究概要 |
昭和61年に我々が発見し、一つの疾患概念として確立したHTLV-I-associated myelopathy(HAM)はヒト・レトロウイルスにより起こる脊髄麻痺として現在世界的に注目され、その病態の解明と治療法の確立は緊急の課題であった。3か年間にわたる本研究により、以下に示すように極めて大きな成果をあげることが出来た。まずHAMを一つの疾患概念として確立することが出来た。またHAMの臨床像の実態を明らかにした。一方、全国疫学調査の結果得られた700例のHAM患者のデ-タを分析し、臨床像を明らかにしたのみならず、その約4分の1の患者が輸血感染により発症していたことを実証した。また、昭和61年11月に全国の血液銀行でHTLV-Iのスクリ-ニングが始まってより以後、この3か年間に血液銀行由来の輸血でHAMは発症した患者は一人もいないことを疫学的に明らかにした。HAMの病態解明に関しては、我々はすでに3症例の剖検を行い、多くの貴重な所見を明らかにした。なかでも、出雲によるリンパ球浸潤の分析結果より、活性型T細胞の病因への関与が明らかにされた。治療法に関しても多くの重要な結果が得られた。副腎皮質ホルモン療法の至的用量が決定された。サクシゾンの髄腔内投与の有効性も明らかとなった。血漿交換療法、リンパ球除去術の有効性も確認された。また、その他の免疫調節剤として、ミゾリビン、イムラン、α-インタ-フェロンの有効性も明らかにされた。また、これらの薬剤がリンパ球自己増殖能を抑制するということも明かとなり、病態との関連で重要な意味を持つことが判明した。以上、極めて多くの病態と治療法が明らかとなったが、ウイルスの脳組内局在は本研究で明らかにすることが出来ず、次の課題として持ち越された。
|