研究課題/領域番号 |
62480213
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
循環器内科学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
豊岡 照彦 東京大学, 保健センター, 講師 (00146151)
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研究分担者 |
杉本 恒明 東京大学, 医学部・第二内科, 教授 (60019883)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
6,600千円 (直接経費: 6,600千円)
1988年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1987年度: 4,800千円 (直接経費: 4,800千円)
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キーワード | 組織培養 / 心筋 / 血管平滑筋 / 興奮収縮連関 / 血小板凝集機構 / 蛋白加水分解酵素 / 細胞内Caイオン / 心筋細胞壊死 / プロスタグランジン / ロイコトリエン / NMR / 高エネルギー燐酸化合物 |
研究概要 |
年度初の研究計画で述べた予想通り、組織培養下の細胞内Caイオンの動態の観察を開始した。用いた細胞は新生児ラット心筋、成熟ラット大動脈欠陥平滑筋および既成のセルラインであるA10由来であり、いずれも初年培養に成功し、かつ細胞内にCa^<2+>感受性の蛍光色素を負荷した状態で各種薬物に対する反応を詳細に観察する事ができた。以下に各細胞で得られた結果を簡単に報告する。 心筋細胞は培養下の細胞に色素を投与しても活発な律動変化が認められ、明瞭なCa^<2+>動能も確認された。また多数の細胞が融合している状態では、その中のペースメーカー細胞と考えられる細胞から次ぎ次ぎに隣接する心筋細胞にCa^<2+>の変化が伝播して行く像が、観察されこれは、世界でも最初の報告と考えられる。但しこの2次元像を解折するために日本研究で開発した方法でも時間分解能が不十分な為、詳細な分布は未だ十分為されていない。 一方大動脈とセルラインを用いた血管平滑筋細胞では薬物に対する反応が比較的緩徐なため、詳細な観察が可能であり、細胞外にCa^<2+>の存在する時、しない時、K^+による脱分極状態、血管作動薬の存在下で2次元画像を得る事に成功し、これらの成果はデータがまとまり次第、順次文献、学会発表を予定している。 また心筋細胞内加水分解酵素の中のCa^<2+>活性化中性蛋白分解酵素(CANP)の生理的・病態生理的意義の解折を、まずヒト血小板で検討した結果、本酵素はその凝集過程にかかわる本質的な酵素である事が判明し、これは、昭和64年初の米国循環器学会誌に採択された。 以上の如く、当初の目的は、ほぼ達成され、今後の遺伝子工学的手法の解析と組み合わせば、更なる発展が、期待される。
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