研究課題/領域番号 |
62480215
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
循環器内科学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
藤原 久義 京都大学, 医学部, 講師 (80115930)
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研究分担者 |
三浦 巌 大塚製薬KKエネルギー代謝研究センター, 所長
河合 忠一 京都大学, 医学部, 教授 (70025659)
MIURA Iwao Chief, Institute of energy and metabolism, Otsuka Pharmaceutical Co Ltd
三浦 厳 大塚製薬K.K, エネルギー代謝研究センター, 所長
三浦 巖 大塚製薬, KK.K.・エネルギー代謝研究センター, 所長
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研究期間 (年度) |
1987 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 6,500千円)
1988年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
1987年度: 3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
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キーワード | 31PーMRS / High energy phosphate / ブタ / βブロッカー / Ca拮抗薬 / 電子顕微鏡 / 虚血 / 再灌流障害 / 再灌流 / 31phosphorus magnetic resonance spectroscopy / ATP / high energy phosphate / inorganic phosphate / intracellurar pH / 豚の虚血心 |
研究概要 |
冠動脈閉塞・再開通に伴う心筋虚血の進展と回復機構を解析するために心に側副循環のないブタ102頭を対象に冠動脈左前下行枝の閉塞・再開通を行い、31PーMRSを用いてcreatine phosphate、ATP、inorganic phosphateおよびpHを測定しかつ電顕的に心筋細胞の障害の程度を検討した。βブロッカーであるpropranolol(0.6mg/kg)、carteolol(10μg/kg)およびCa拮抗薬であるverapamil(200μg/kg)を静注し、その影響を検討した。結果を以下に示す。 [I]薬物非投与群であるコントロールでは冠閉塞20分でcreatine phosphateはゼロ、ATPは60%に低下、pHは6.5に低下、inorganic phosphateは約2倍に増大した。冠閉塞40分後にはATPは10%に低下した。他方、薬物前投与群では冠閉塞20分まではATPの低下は緩徐で有意に保護されたが、40分ではコントロールとの差は消失した。電顕学的にも虚血心筋細胞障害の程度は冠閉塞20分で薬物投与群で軽度であった。血圧ならびにdouble productはコントロールと薬物投与群で有意の差はなくかつブタの心には側副循環がない。したがって薬物の虚血心筋保護作用は虚血心筋細胞に対する直接作用と思われる。 [II]20分冠閉塞後の再灌流においてコントロールではcreatine phosphate、inorganic phosphate、pHは10分以内に正常化したが、ATPは120分再灌流においても改善しなかった。他方、βブロッカー前投与群ではATPは再灌流後急速に改善し、120分後には正常化した。ATPの改善は後投与群すなわちβブロッカーを再灌流直前に投与した群ではみられなかった。したがって再灌流時におけるβブロッカーのATP改善効果は冠閉塞時の虚血心筋保護作用に由来すると思われる。このことはβブロッカーは再灌流時の回復機構に大きな役割を果していないことを示している。
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