研究課題/領域番号 |
62480217
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
循環器内科学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
竹下 彰 九州大学, 医学部, 助教授 (30038814)
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研究分担者 |
今泉 勉 九州大学, 医学部, 講師 (60148947)
金出 英夫 九州大学, 医学部, 教授 (80038851)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
6,800千円 (直接経費: 6,800千円)
1988年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
1987年度: 3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
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キーワード | 心房性Na利尿ペプチド / 圧受容器反射 / 腎交感神経 / 大動脈減圧神経 / 前腕血流量 / 心不全 / 心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP) / 反射性交感神経活動調節 / 動脈圧受容器 / 大動脈径 / 側枢室内投与 |
研究概要 |
【○!1】従来からの研究に引き続き、心房性Na利尿ペプチド(ANP)が反射性交感神経活動亢進を抑制する機序は何かを検討した。動脈圧受容器及び心圧受容器のいずれか一方あるいは両方を除神経したラットを用いた実験の結果、ANPは1)心圧受容器を亢進させて腎及び腰部交感神経活動を抑制すること、また2)動脈圧受容器反射を低圧域にリセットして、降圧に伴う反射性交感神経活動亢進を抑制すること、が判明した。次にANPが大動脈圧受容器反射を低圧域にリセットする機序を明らかにするために、家兎を用いてANPによる降圧時の大動脈径及び大動脈減圧神経活動変化を検討した。ANPによる降圧時には、降圧にもかかわらず大動脈径の減少がみられず、その結果大動脈減圧神経活動も減少しなかった。大動脈径変化と大動脈減圧神経活動変化の関係には、ANPは影響しなかった。これらの成績は、1)ANPは動脈圧受容器の感受性を変化させないこと、2)大動脈径を拡張させることにより動脈圧受容器反射を修飾すること、を示唆する。更に、ANPが中枢神経作用を介して交感神経活動を抑制するかどうかを家兎で検討した。しかし、ANPが中枢神経作用を介して交感神経活動抑制をもたらすことを示唆する成績は得られなかった。 【○!2】心不全患者ではANP静注投与により一回拍出量が増加するという成績が多く、その機序として血管拡張による後負荷減少が考えられている。我々は、心不全患者と同年令の健康者を対象に、ANPを直接動注した時の血管拡張を検討した。その結果、心不全患者ではANPの直接血管拡張作用は著明に低下していることが判明した。ANPによる血中CGMP上昇の程度は2群に差がなかったので、心不全患者におけるANPへの反応性低下は受容体数の減少によるものではなく、細胞内機構の変化に起因すると考えられた。
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