研究課題/領域番号 |
62480218
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
循環器内科学
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
泰江 文 (泰江 弘文) 熊本大学, 医学部附属病院 (40174502)
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研究分担者 |
藤井 裕己 (藤井 裕巳) 熊本大学, 保健管理センター, 助手 (40199295)
松山 公士 熊本大学, 医学部附属病院, 助手 (00190546)
小川 久雄 熊本大学, 医学部附属病院, 助手 (50177135)
奥村 謙 熊本大学, 医学部附属病院, 講師 (20185549)
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研究期間 (年度) |
1986 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 6,500千円)
1988年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1987年度: 4,500千円 (直接経費: 4,500千円)
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キーワード | 冠動脈の攣縮 / アセチルコリン / 動脈硬化 / マグネシウム / ヒスタミン / FPA |
研究概要 |
冠動脈の攣縮(冠攣縮)の発生機序に関して次のことを明らかにした。1.副交感神経伝達物質であり、内皮依存性血管弛緩物質であるアセチルコリンを冠動脈造影像上正常な冠動脈内へ注入して冠動脈の反応を調べた。若年者ではアセチルコリンにより冠動脈は拡張したのに対し、中高年者の大部分では収縮した。このことは中高年者の大部分においては冠動脈造影像上正常に見える冠動脈も内皮の傷害、つまり動脈硬化が存在することを強く示唆する。冠攣縮の患者においてはアセチルコリンにより全例、冠動脈は収縮し90%においては冠動脈は完全または亜完全閉塞を来たして虚血発作が出現した。以上のことより冠攣縮は内皮の傷害つまり動脈硬化を基盤として発生すると考えられた。冠攣縮は夜間から早朝の安静時に出現し易いが、この時期には副交感神経の活動が擽進しており、したがってアセチルコリンの作用が強く出ると考えられるので冠攣縮が夜間から早朝にかけて出現し易いのは副交感神経の活動と関係があると考えられた。 2.ヒト摘出冠動脈はMgにより拡張することが明らかにされた。この作用はニトログリセリンやCaきっ抗剤のそれとは異なることが示唆された。 3.冠攣縮を有する患者では体内Mgが減少している例が多いことが示された。24時間Mg体内停滞率は冠 縮患者では62±21%であったのに対し、対照例では31±14%(P<0.01)であった。したがってMg欠乏が冠 縮と関連していることが示された。 4.Mgの点滴静注により冠攣縮の発作が抑制されることが明らかにされた。Mgを0.54mEg/Kg注入することにより血清Mg濃度は約2倍に上昇したが、この点滴により過呼吸により再現性をもって誘発される発作が20例中14例(70%)において完全に抑制された。したがってMgは冠攣縮の治療および予防薬としても使用可能である。
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