研究課題/領域番号 |
62480224
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
小児科学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
土屋 滋 東北大学, 抗酸菌病研究所, 助教授 (30124605)
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研究分担者 |
寺沢 政彦 東北大学, 抗酸菌病研究所, 助手 (80192201)
佐藤 徹雄 東北大学, 抗酸菌病研究所, 助手 (90170761)
今野 多助 東北大学, 抗酸菌病研究所, 教授 (00004846)
TERASAWA Masahiko Research Institute for Tuberculosis and Cancer, Tohoku University
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研究期間 (年度) |
1987 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
6,200千円 (直接経費: 6,200千円)
1988年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1987年度: 4,200千円 (直接経費: 4,200千円)
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キーワード | 先天性無ガンマグロブリン血症 / Bリンパ芽球様細胞株 / B細胞関連抗原 / モノクローナル抗体 / IgD / 細胞クローニング / K+λ産生細胞クローン / K+入鎖産生細胞クローン / EBウイルス / プレBリンパ芽球様細胞株 / 表面マーカー |
研究概要 |
先天性無ガンマグロブリン血症(CAG)患児骨髄血にEBウィルス(EBV)を感染させると、B前駆細胞様細胞株(PreBーLCL)が樹立できる。このPreBーLCLはCAG患児より得られる唯一のB細胞系統の細胞株であり、CAGの病態および病因解析に欠かせない材料となっている。本研究の最終的テーマは、CAG由来PreBーLCLの免疫グロブリン遺伝子の解析を通してCAGの本態に迫る事にある。今回はそのテーマに沿って次の4点に重点を置いて研究を行った。1)得られたPreBーLCLの細胞質内および表層免疫グロブリンの発現パターンの解析、2)PreBーLCL表層のB細胞関連抗原の発現パターンの解析、3)CAGの病態解析に有用と思われるユニークな免疫グロブリン発見パターンを持った細胞株の発見、4)それら細胞株の細胞レべルでのクローニング。 1)CAG患児骨髄血由来のBーLCLには全く免疫グロブリンを産生しないもの、細胞質内にμ重鎖のみが認められるBeBーLCLなどの未熟B細胞株が含まれていた。2)CAG由来の免疫学的に未熟なB細胞株と健常人由来の正熟B細胞株について、CD20、CD19、FcεリセプターおよびHLAーDR抗原の発現の差を該当単クローン抗体を用いて検索したが、両者の間にそれらの発現様式の差はなかった。従ってEBVにより樹立されたB-LCLの場合には、白血病細胞においてのB細胞関連抗原の発現パターンと分化段階との規則的対応が認められず、むしろB細胞関連抗原の発現態度がEBVの感染と密接に結びついている可能性が示唆された。3)CAGに特徴的と思われる2つの細胞株を得る事ができた。1つは細胞表層及び細胞質内にδ重鎖と入軽鎖の発現があったK5細胞株、もう1つは細胞質内にμ重鎖とK・λの2つの軽鎖が同時に発現していたK4細胞株である。末だこれらの表現型を持った細胞株の報告はなく、CAGの病因との関連を念頭に置きつつ、K4とK5細胞株の免疫グロブリン遺伝子の解析を今後進めて行く予定である。
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