研究課題/領域番号 |
62480228
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
小児科学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
三河 春樹 京都大学, 医学部, 教授 (00026866)
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研究分担者 |
秋山 祐一 (秋山 裕一) 京都大学, 医学部, 助手 (60175809)
平家 俊男 (平家 俊夫) 京都大学, 医学部, 助手 (90190173)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
6,200千円 (直接経費: 6,200千円)
1988年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1987年度: 4,200千円 (直接経費: 4,200千円)
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キーワード | インターフェロン / 気管支喘息 / ヒスタミン / IgE受容体 / 2′,5′オリゴアデニレート / ヒスタミン遊離 |
研究概要 |
ウイルス感染罹患時に、気管支喘息発作の増悪を見ることは多い。この機序の一つとして、ウイルス感染により細胞内に誘導されるインターフェロンが関係しているのではないかと考え、インターフェロンの気管支喘息におよぼす影響を検討するために、好塩基球からのヒスタミン遊離と低親和性IgE受容体(FcεR2)発現におよぼすインターフェロンの作用を解析した。インターフェロンはヒト末梢血白血球からのヒスタミン放出率を増大させることにより、ヒスタミン放出量を増大させた。ラット好塩基性白血病細胞株2H3を用いた解析では、インターフェロンはヒスタミンの放離率には影響を与えず、histidine decarboxylaseのADPーribosylationを介して、この酵素活性を増強し、ヒスチジンからのヒスタミン合成を増加させて、細胞内ヒスタミン含量を増加させることにより、ヒスタミン遊離を増強することが明らかとなった。このインターフェロンの作用の少くとも一部は、インターフェロンにより細胞内に誘導された2′、5′ーオリゴアデニル酸によることが示唆された。さらにインターフェロンは、ヒト単球細胞株U937やヒト好酸球細胞株EOLにおけるFcεR2発現を増強させた。インターフェロンはU937細胞において、FcεR2 mRNA量を増加させたが、この反応は副腎皮質ホルモンにより抑制された。I型アレルギー反応におけるヒスタミン遊離量の増大は気管支収縮を強めると考えられるし、単球や好酸球上のFcεR2の発現増強は、FcεR2に付着したIgE抗体と対応抗原との反応を介して、単球の活性化やモノカインの産生、好酸球組織障害性顆粒蛋白の放出などを増強させて、気管支喘息の重症化、遷延化をきたす。インターフェロンは、このような作用を介して、気管支喘息の増悪に深く関係していると考えられた。
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