研究課題/領域番号 |
62480265
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
外科学一般
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研究機関 | 旭川医科大学 |
研究代表者 |
江端 英隆 旭川医科大学, 医学部, 助教授 (20091564)
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研究分担者 |
山本 哲 旭川医科大学, 医学部, 助手 (50125415)
草野 満夫 旭川医科大学, 医学部, 講師 (70091569)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
6,300千円 (直接経費: 6,300千円)
1988年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1987年度: 4,800千円 (直接経費: 4,800千円)
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キーワード | 肝癌の発生 / 肝切除刺激 / 移植部位の脾臓 / 前癌肝細胞 / 化学的発癌肝細胞 / 腹水肝癌 / 脾内移植 / 癌化 / 肝再生刺激 / 腫瘍肝細胞 / 同系ラット脾内移植 / 移植細胞の増殖 |
研究概要 |
Hepatomaの発生と肝再生における前癌病変の関係を明らかにすることは、Hepatomaの予防と治療の上で重要な課題である。本研究では我々が独自に開発した脾内移植肝細胞モデルを使って、hyperplastic nodule(HN)、腹水肝癌さらにDAB肝癌を脾内に移植し観察した。 HNについては、宿主肝に部分肝切除を加える以外に、さらに宿主肝再生を抑制する状態で(2-acetylaminofluorene;AAFの前投与後肝切除)脾内移植肝に強い再生刺激を与えてみた。HNの作製は0.025%AAF含有飼料30〜40日摂取後に発生したearly phaseのHNを使用した。その性状をFlowcytometry、BrdU染色、H.E.染色、γ-GTP染色等を用いて組織学的、細胞動態的に検討した。HNはコラゲナース灌流法で細胞分離し、同系ラット脾内に移植した。移植後3カ月まで経時的に脾臓を摘出し、脾内HNを観察した結果、肝切除後早期には肝切の程度に相関したDNA合成の亢進と増殖を認め、日数経過とともにHNの増殖力は弱まり、3カ月後では正常肝細胞移植後と同程度になった。組織学的にも初め異型性をもっていたが、3カ月後では全く正常肝移植後と同じ形態となり、hepatomaの出現はみられなかった。今回使ったearly phase脾内移植HNは、かなり強い再生刺激を与えられても癌化しないと結論された。 佐々木研究所より提供を受けた腹水肝癌3種類AH13、AH66F(自由細胞型)、AH66(島を混ず)の脾内移植(10^4-10^5個)では、前者は肝、脾に白血病様に増殖、後者は脾内に結節上に増殖した。またDAB投与約5〜6カ月頃の肝癌より分離した肝癌細胞の脾内移植では術後5〜10日で脾内に大きな腫瘍塊を形成した。HNについては、今後特にlate phaseのHNと他の方法で作製したHNの脾内移植の検討が引き続き必要とされる。 今回の研究からは、肝切除により残存肝に存在する前癌細胞が癌化する可能性は少ないことが示された。
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