研究課題/領域番号 |
62480269
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
外科学一般
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研究機関 | 富山医科薬科大学 |
研究代表者 |
田沢 賢次 富山医科薬科大学, 医学部, 助教授 (80018887)
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研究分担者 |
前田 正敏 富山医科薬科大学, 医学部, 教務職員 (30143861)
本田 昂 富山医科薬科大学, 医学部, 教授 (40019914)
鈴木 康将 富山医科薬科大学, 医学部, 助手 (50179264)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
1988年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1987年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
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キーワード | 細胞内加温 / 磁性誘導細胞内加温 / デキストランマグネタイト / デキストラン・マグネタイト / 強磁性体誘導加温法 / 四三酸化鉄誘導加法 / Intracellular Hyperthermia / 誘導加温療法 / 細胞内ハイパーサーシア / 細胞内誘導加温法 / 磁性誘導細胞加温法 |
研究概要 |
昭和62年度の計画において、500KHZ帯の誘導加温装置を用い、Fe Iron Metal(200mesh)、SUS 430LAN(100mesh)、MnZnフィライト、3C、Fe_3O_4などの励起状態について報告した。すなわち、Fe_3O_4、Fe Iron Metal、SUS 430LANついで3Cが高い励起率を示し、Fe_2O_3、MnZnフィライトは低い励起率にとどまった。今回のin vivoの実験ではAH60C(ラット腹水肝癌)の腹水腫瘍を用い、40日後の延命率ではコントロール群がすべて20日前後で死亡したのに比して、Fe Iron Metal、Fe_3O_4は66%と高く、3Cは40%であった。腹腔内のAN60C細胞を組織学的に検討し、細胞内磁性体の存在を確認できた。この磁性微粒子は腹腔内や腫瘍組織内において凝集したり、分布が均一にならないなどの欠点を有し、効果が不確実になることが判明した。また代謝性が極めて悪いなどの特徴がある。 昭和63年度は主に、この欠点を補うためデキストランと金属磁性体との複合体デキストランマグネタイトを用いて実験を試みた。このデキストランマグネタイトは1mlあたりFe207mg、デキストラン84mgで、大きさは80〜100〓と小さく、急性毒性は極めて低い。血清中でも凝集することなく、静脈内、腫瘍組織内、ことに動脈内でも使用できる極めて安定性がよい磁性超微粒子である。このデキストランマグネタイトの1.25%、2.5%の励起率を前記した微粒子と比較したところ更に能率よい励起性を示した。AH60Cを用いたin vivoの腹腔内投与を試みたところ、コントロール群の生存日数が13.6±2.6日であったのに比して、1回加温群は18.2±5.8日、2回加温群では20±4.2日と更に延命した。今回用いた磁性微粒子デキストラン複合体はコロイド安定性に優れ、生体内での特定組織への均一分散性が良好であり、従って温熱効率がよいことより今後温熱療法に広く応用できることが期待できた。
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