研究課題/領域番号 |
62480295
|
研究種目 |
一般研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
胸部外科学
|
研究機関 | 高知医科大学 |
研究代表者 |
田宮 達男 高知医科大学, 医学部, 教授 (30145114)
|
研究分担者 |
清久 泰司 高知医科大学, 医学部, 助手 (70195402)
松崎 圭祐 高知医科大学, 医学部, 助手 (70157288)
松本 孝文 高知医科大学, 医学部, 助手 (00165896)
山城 敏行 高知医科大学, 医学部, 講師 (10145138)
|
研究期間 (年度) |
1987 – 1989
|
研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
|
配分額 *注記 |
6,200千円 (直接経費: 6,200千円)
1989年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1988年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1987年度: 4,200千円 (直接経費: 4,200千円)
|
キーワード | 房室ブロック / 刺激伝導系 / 先天性心疾患 / His束 / 組織学 / 術後不整脈 / 結節間伝導路 / 心臓電気生理学 / 伝導障害 / 上室性不整脈 / 立体表示 / 三尖弁中隔尖 |
研究概要 |
開心術起因の刺激伝導障害は致死的合併症となりうる。本合併症防止に資するため、先天性心室中隔欠損心における刺激伝導系の走行、特に房室束中枢部と欠損孔及び三尖弁中隔離尖付着部との位置関係の組織学的探索と、上室生不整脈の発生原因解明の一環として、後結節間伝導路損傷の影響についての実験的検討を行った。 組織検索材料は正常心5例、孤立性心室中隔欠損症(VSD)膜性部周辺型13例,ファロ-四徴症(TOF)8例、計26例である。その結果1.VSD膜性部周辺型流入部欠損での比分枝束(穿通束は除外)走行は他の型のVSDやTOFに比し、より右室寄りで欠損孔下縁との距離、三尖弁中隔尖付着部〜房室間距離の何れも短く、比分枝束と三尖弁中隔尖付着部がほぼ同じ高さに位置した。2.TOF膜性部周辺型では、筋性部型に比し非分枝束走行が表在性であり、三尖弁付着部との最短伝導系部位は房室結節、穿通束であった。以上、VSD膜性部周辺型流入部欠損やTOF膜性部周辺型では心室中隔欠損閉鎖術に際し、伝導系障害の危険性が各疾患の他病型に比し高いことを解剖学的に明らかにした。 一方、実験的に不整脈犬を作成、心外膜マッピング法による心房刺激伝導様式の検索と、心房高頻度刺激法により誘発された心房粗動・細動持続時間の計測を行った。ついで後結節間伝導路部位と任意の心房位に縦切開を加え、両者における伝導様式の変化の差異と誘発心房粗動・細動持続時間の計測を行った。その結果、後結節間伝導路切開では切開線に沿った著明な伝導遅延を示したが、任意縦切開では心房の刺激伝導様式に特別の変化はなかった。また両群間で持続性心房粗動・細動の誘発率に有意の(p<0.01)差を認めた。以上から後結節間伝導路の損傷は心房内の刺激伝導様式に多大な影響を与え、開心術後の上室性不整脈なかでもreentry機序による心房粗動の発生母地を提供すると考えられた。
|