研究課題/領域番号 |
62480303
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
脳神経外科学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
片倉 隆一 (1988) 東北大学, 医学付属病院, 講師 (70152676)
今泉 茂樹 (1987) 東北大学, 医学部附属病院・脳神経外科, 助手 (30160039)
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研究分担者 |
水柿 道直 東北大学, 医学部付属病院, 教授 (60004595)
遠藤 政夫 山形大学, 医学部, 教授 (40004668)
本宮 雅吉 東北大学, 抗酸菌病研究所, 教授 (20006092)
片倉 隆一 東北大学, 医学部・脳神経外科, 助手 (70152676)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
6,800千円 (直接経費: 6,800千円)
1988年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1987年度: 6,000千円 (直接経費: 6,000千円)
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キーワード | イノシトールリン脂質 / 脳虚血 / 〔^3H〕-inositol / シナプトゾーム / ブレインスライス / 虚血脳 / 可逆性 / 脂質代謝 |
研究概要 |
虚血脳におけるイノシトールリン脂質代謝について、虚血後の血流再開による可逆性に注目し検討した。ラット全脳虚血モデルを用い、虚血5分もしくは30分負荷後血流再開30分、60分の時点で脳をin situに摘出した。5分虚血および30分虚血の2群でそれぞれ30分および60分の血流再開を行った。また虚血1、5、30分および虚血30分負荷後血流再開10、30、60分のシリーズでノシトールリン脂質、diglyceride(DG)、Lysophosphatidylcholine(LPC)、FFAおよびエネルギー代謝について検討した。虚血後イノシトールリン脂質のphasphatidylinositol-4 phosphate(PIP)-4.5bisphosphate(PIP_2)の急激な減少と対称的にDGの増加が認められ、その動きに一致してアラキドン酸とステアリン酸も増加した。LPCはそれらより遅れて増加し始めた。各脂質は血流再開后、虚血負荷前値に復した。PIPとPIP_2の回復に虚血負荷時間(5分と30分)は影響しなかった。ATPとCTPは虚血により虚血により減少したが血流再開60分においても虚血負荷前値まで回復しなかった。 以上より虚血後、神経伝達物質の異常放出がイノシトールリスポンスを亢進させDGの増加さらにアラキドン酸とステアリン酸を主に遊離させる。この際増加するinositel triphosphate(IP_3)は細胞内Caの増加を惹起しphospholipaseA_2の活性亢進を招来しLPCとその他のFFAの増加を引き起すと考えられる。イノシトールサイクルは一過性脳虚血において可逆性を有し、血流再開後の修復に虚血中遊離したFFAが利用される。またATPとCTPを上回る急激な回復はイノシトールリン脂質が生体膜(神経細胞機能)にとって優先的に修復される必要性を物語っている。シナプトゾーム及び海馬脳スラスにおける神経伝達物質とイノシトールリン脂質代謝の関連については信頼性のあるデータが得られず、今後の検討を要する。
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