研究課題/領域番号 |
62480312
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
脳神経外科学
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
佐藤 潔 順天堂大学, 医学部脳神経外科, 教授 (10112707)
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研究分担者 |
須田 喜久夫 順天堂大学, 医学部脳神経外科, 助手 (00206559)
武田 信昭 順天堂大学, 医学部脳神経外科, 助手 (00171645)
伊藤 昌徳 順天堂大学, 医学部脳神経外科, 講師 (20095764)
宮岡 誠 順天堂大学, 医学部脳神経外科, 講師 (70053270)
宮澤 隆仁 (宮沢 隆仁) 順天堂大学, 医学部・脳神経外科, 講師 (80182012)
石井 昌三 順天堂大学, 医学部・脳神経外科, 教授 (80052926)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
1989年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1988年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1987年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 先天性水頭症 / 先天性水頭症ラット / 脳室造影 / 核磁気共鳴画像 / ^<14>Cデオキシグルコ-ス / シナプス小胞蛋白 / 学習能 / ゴルジ染色法 / 脳室腹腔短絡術 / 大脳皮質 / ゴルジ法 / シナプス / 螢光抗体法 / 学習脳 / 大脳皮貭 / ゴルヂ法 / 蛍光抗体法 / Y迷路 |
研究概要 |
本研究では先天性水頭症ラットHTXに対して実験的治療、即ち、脳室腹腔短絡術を試み、手術時期の選択がいかに脳の神経細胞とシナプスの発達障害を修飾するかについて神経病理学的並びに行動生理学的に検討した。昭和62年度までの研究成果は、生後4週齢に短絡術を行なっても、すでに術前に発来した大脳皮質シナプスの形成障害や学習能低下は回復しないことが示唆された。この知見を踏まえ、昭和63年および平成元年度にはまず生後10日以前の水頭症発現ラットに短絡術を試み、その手術手枝を確立した。次いで早期短絡術の効果を1.脳室造影および核磁気共鳴画像(MRI)による脳室容積と大脳皮質の短絡術前後の経時的変化2.^<14>Cデオキシグルコ-スオ-トラディオグラム法による局所脳代謝率測定3.神経病理学的検索4.シナプス小胞蛋白(SVP-38)に対するモノクロ-ナル抗体(0bataK.1986)を用いた免疫組織学的検索5.Y-Arm-Maze法とAutomex-IIを用いた動物行動生理学的検討6.rapid-Golgi法によるspine、樹状突起、軸索、髄鞘の観察などの手法を用いて多角的に検討した。その結果、早期脳室腹腔短絡術は脳皮質の増大、脳質の縮小化、白質髄液浮腫の軽減、脳質上衣細胞形態と配列の正常化をもたらすとともに、大脳皮質各部位の局所脳代謝障害の阻止、大脳皮質第II・III層におけるspine densityの正常化、更に、正常に近い行動生理学的発達の促進などをもたらすことが明らかとなった。以上の研究成果より先天性水頭症に対する早期治療の必要性を裏付ける理論的根拠が確立された。これらの成果はすでに放棄された水頭症の胎内治療の再考をうながすものと考えられる。
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