研究課題/領域番号 |
62480324
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
麻酔学
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
尾山 力 弘前大学, 医学部, 教授 (60003349)
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研究分担者 |
工藤 美穂子 弘前大学, 医学部, 助手 (30003411)
工藤 剛 弘前大学, 医学部, 助手 (70003407)
松木 明知 弘前大学, 医学部, 助教授 (20003543)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
1988年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1987年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
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キーワード | 硬膜外持続注入 / 硬膜外持続注入ポンプ / 癌性疼痛 / モルヒネ / ブプレノルフィン / 日内変動 |
研究概要 |
〔方法〕硬膜外持続注入のために使用した器械CADD-PCA^<TM>は本体(重さ425g)と約50mlの薬液を入れるカセットから成っている。小型で携帯に便利な持続注入器であり、コンピューターの内蔵により、設定範囲内で患者は自由に薬液の注入、調節ができる。この器械の最大の利点は患者本人がいつでも痛みを楽にしたいと感じた時、医師の指示を待たずに安心して痛みをコントロールするための薬を投与することができるところにある。癌性疼痛患者に対してCADD-PCA^<TM>を用いてモルヒネならびにブプレノルフィンの持続硬膜外注入を行った。臨床的に検討すると同時に、客観的な指標として、これらの患者の疼痛時及び疼痛改善時におけるストレスホルモンの変化を検討した。〔結果・考案〕モルヒネ、ブプレノルフィンの持続硬膜外注入により全例において疼痛の軽減、眠りの程度および起床時の気分の改善が認められた。血圧、脈拍数、呼吸数に大きな変動は見られなかった。CADD-PCA^<TM>によると思われる合併症や誤操作によるトラブルは皆無であった。その他モルヒネの硬膜外注入によると思われる軽度の排尿障害が一例に認められた。内分泌系に及ぼす影響は個々の症例によって異なり一定のパターンを認めることは出来なかった。モルヒネ投与において三例の末期癌性疼痛患者では疼痛時の血漿コルチゾール、ACTHの日内変動は認められなかった。さらに疼痛が改善された時点でも日内変動は消失していた。ブプレノルフィン投与では血漿コルチゾール及びACTH濃度の日内変動は、疼痛時・疼痛改善時共に認められなかった。これらの症例からストレスホルモンの日内変動には精神的因子が大きな関わりを持っていることが示唆された。
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