研究課題/領域番号 |
62480330
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
麻酔学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
兒玉 謙次 (児玉 謙次) 九州大学, 医学部, 助手 (20136451)
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研究分担者 |
吉武 潤一 九州大学, 医学部, 教授 (10041386)
高橋 成輔 九州大学, 医学部, 助教授 (30038723)
谷山 卓郎 九州大学, 医学部, 講師 (70117167)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
5,000千円 (直接経費: 5,000千円)
1989年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1988年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1987年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
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キーワード | Heparin Surface / Biomaterial / 抗血栓性素材 / 膜型人工肺 / 体外循環 / 成人呼吸窮迫症候群 / 呼吸不全 / ARDS / 模型人工肺 |
研究概要 |
新しい抗血栓性素材であるHeparin Surfaceの抗血栓機構や膜型人工肺への応用についてカロリンスカ研究所と共同研究を行い以下のような研究結果を得た。 1.Heparin Surfaceの抗血栓機構について (1)アンチスロンビンIII(AT)を吸着したHeparin Surfaceは第Xa因子を取り込んで阻害することが明らかになり、その反応速度は高親和性ヘパリンと結合したATにより規定され、高および低親和性ヘパリンと結合したATの総和によって全阻害能が規定されることが示唆された。 (2)Heparin Surfaceにした回路の壁のずれ率がスロンビンと第Xa因子の阻害に及ぼす影響を調べた結果、低ずれ率の部位では両者の阻害能に差がなく、高ずれ率の部位ではスロンビン阻害能が低下することから凝固因子の阻害がずれ率に依存していることが示唆された。 2.Heparin Surfaceの膜型人工肺への応用について (1)Heparin Surfaceの膜型人工肺と体外循環回路を雑種成犬に装着し、ヘパリン非投与の条件下にArterio-Venous Bypassによる部分体外循環を試行し、凝固時間、血小板数、AT活性、部分スロンボプラスチン時間、プロスロンビン時間などに着変なく、24時間の体外循環を維持できた。 (2)同様の条件下にVeno-Venous Bypassを試行し同様の結果を得た。 (3)以上の結果より、Heparin Surfaceの安全性が確認されたと判断し気管分岐部腫瘍切除再建術の周術期気道確保のためにHeparin Surface膜型人工肺を準備したが、使用するには至らなかった。 (4)今後も、より安全で有用な呼吸補助法としてHeparin Surface膜型人工肺の臨床応用の確立を目指したいと考えている。
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