研究課題/領域番号 |
62480340
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
泌尿器科学
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研究機関 | 大分医科大学 |
研究代表者 |
緒方 二郎 大分医科大学, 医学部, 教授 (80040541)
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研究分担者 |
今川 全晴 大分医科大学, 医学部, 助手 (10168510)
河野 信一 大分医科大学, 医学部, 講師 (80161339)
酒本 貞昭 大分医科大学, 泌尿器科教室, 講師 (30094014)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
4,100千円 (直接経費: 4,100千円)
1989年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1988年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1987年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
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キーワード | 下部尿路 / 神経活性物質 / ペプチド / 免疫組織化学 / プロスタグランディン / 神経支配 / 膀胱上皮 / プロスタグランジン |
研究概要 |
主に日本猿を用いて、下部尿路の自律神経における神経活性物質を免疫組織化学的に検索した。抗体はAcetylcholine(Ach)、Noradrenaline(NA)、Vasoactive intestinal polypeptide(VIP)、Substance P(SP)、Calcitoningene related peptide(CGRP)抗体を用い下記の結果がえられた。 1)日本猿と他の哺乳動物とでは、骨髄神経節の局在部位に種差が認められ、前者では前立腺の背外側に、後者では尿管移行部に存在した。 2)日本猿の骨髄神経節には、約70%のAch陽性細胞、約10〜15%のNA陽性細胞、15〜20%のVIP陽性細胞、および少数のSP陽性細胞が検出され、神経節に続く神経線維束にはそれぞれの神経活性物質陽性線維が認められた。 3)SPは日本猿の膀胱上皮内、粘膜下組織、筋層、血管周囲にvaricose状の線維に検出され、L_7、S_1レベルの後根神経節および後角にはSP陽性細胞が認められ、また精嚢腺および尿路球腺間質内にもSP陽性細胞が検出された。 4)CGRPの局在はほぼSPと同様であった。 5)VIP陽性線維は三角部の膀胱上皮内および筋層に多く認められた。 6)尿道外括約筋背外側にPacinian corpuscle様小体の集簇が認められ、外棍にSPとVIPが共存していた。 以上の結果から骨盤神経節細胞には複数以上の神経活性物質の共存の可能性があり、VIPおよび一部のSPは尿路自律神経の遠心路において、AchおよびNAの作用を調節しており、CGRPと大部分のSPは主に自律神経求心路の神経活性物質と考えられた。 この他に、膀胱におけるProstaglandin(PG)の生合成に関して生化学的に追求し、膀胱上皮にはarachidonic Acidが非常に多く、還元型グルタチオンによりPGE_2、PGI_2、PGF_<2α>の生合成の比率を変ることを見出した。
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