研究課題/領域番号 |
62480342
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
泌尿器科学
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研究機関 | 東邦大学 |
研究代表者 |
長谷川 昭 東邦大学, 医学部, 教授 (40189519)
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研究分担者 |
田代 果生子 東邦大学, 医学部, 助手 (20179691)
小原 武博 東邦大学, 医学部, 助手 (00057712)
木村 一郎 東邦大学, 医学部, 教授 (10009996)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
6,800千円 (直接経費: 6,800千円)
1988年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1987年度: 5,800千円 (直接経費: 5,800千円)
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キーワード | 血液型不適合腎移植 / プラズマフェレーシス / 血 交換 / 免疫吸着 / MLR / CML / ADCC / 赤血球・リンパ球混合培養反応 / 血漿交換 / 赤血球 / リンパ球混合培養反応 / 免疫吸着カラム / 抗A・抗B抗体価 / 移植抗原の組織分布 / DST |
研究概要 |
1.血液型不適合腎移植を予定した2症例について 2症例とも移植3ケ月以上前に脾摘出術を行い、試験的に抗体除去を吸着操作により行った。症例1は抗A抗体価IgM×2^7が×2^3、IgG×2^8が×2^5と低下し、移植直前3日間連続吸着においてもIgM×2^2、IgG×2^4まで低下したが、ドナーT細胞抗体陽性となり移植を断念した。症例2は吸着操作にて抗体価は低下せず、plasmaphereses、血漿交換を行ったが最終的にIgM×2^6、IgG×2^5で抗体産生能が高く血液型不適合腎移植の適応とはならなかった。 2.HLAおよび赤血球A・B抗原に対する免疫学的考察 HLAに対するMLR、CMLは2例とも高値を示すが赤血球A・B抗原に対するMRLR(赤血球・リンパ球混合培養反応)は低値で両抗原系の細胞性免疫応答の違いを表しているものと思われた。液性抗体に関しては2例ともIgM、IgGの抗A抗体を有し症例1では抗HLA抗体も有していた。抗体の検出にはFCM法が敏感でDTTによるIgMの解裂なしにIgG測定可能であった。ADCC活性は2例とも赤血球抗原に対し陽性を示したが、HLAに対しては抗HLA抗体陽性の症例1のみに活性が認められた。これらから両抗原系に対する抗体の存在の下に補体活性化やADCC機序により細胞障害を示すとおもわれるが、T細胞を中心とした細胞性免疫では作用に違いがあるものと考えられた。DSTによるMLR、CMLの変動や抗体産生ではまず細胞性免疫が増強されその後に液性抗体の産生が起こってくると推察されるが赤血球A・B抗原に対しては細胞性免疫が活性化されなくても自然抗体(IgM)や感作抗体(IgG)の産生が生じており抗原としての作用の相違を示していた。今後は、上記2症例の経験を生かし血液型不適合腎移植を年内に3例実施する予定である。
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