研究課題/領域番号 |
62480358
|
研究種目 |
一般研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
耳鼻咽喉科学
|
研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
伊藤 博隆 名古屋市立大学, 医学部, 助教授 (60080115)
|
研究分担者 |
松下 隆 名古屋市立大学, 医学部, 助手 (90181718)
|
研究期間 (年度) |
1987 – 1988
|
研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
|
配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
1988年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1987年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
|
キーワード | 鼻アレルギー / 脱顆粒 / 好酸球 / アレルギー性鼻炎 / ペルオキシダーゼ / アリルスルファターゼ / アルカリフォスファターゼ / 抗原特異IsG / IgG_4 |
研究概要 |
鼻アレルギー患者では抗原の被爆により、鼻汁、くしゃみ、鼻閉などの各症状が出現する。これらの症状を誘発するためには各種ケミカルメディエーターが鼻粘膜に放出されるためと思われる。従来は好塩基球がその主役をなしていると考えられている。本研究の初期の目的は好中球からの脱顆粒の測定を計画したが、実験中において好中球より好酸球が多くケミカルメディエーターである各種酵素を放出することが判明した。まず、そのために好酸球由来酵素で組織障害性を有するペルオキシダーゼに注目し、プロティンAゴールドを利用した免疫組織学的に観察する方法について検討を加えた。その方法が確立したので鼻アレルギー患者の鼻汁中の好酸球を試料として観察した。その結果は鼻汁中の好酸球の酵素保有の形態には各種のタイプがあること、特に抗原の被爆によって脱顆粒が起こっていることが見い出だされた。好酸球内の顆粒の状態によって顆粒、点状型、膜状型、混合型、さらには空胞化しているものに分けられ、アレルギー性鼻炎患者の症状と比較したところ、三大症状のうら鼻汁の多い症例においてはペルオキシダーゼか粒が膜状に分布したものや、空胞化したものに多いことが判明した。次に鼻汁中のペルオキシダーゼ酵素活性をFruchart法により測定したところ、酵素活性と各症状との間には優位な関係は認められなかったが、実験症例数の問題もあり、今後検討を要するものと思われる。このペルオキシダーゼ酵素の作用として粘膜傷害性が主の作用であると報告されているところから、他のヒスタミンなどのケミカルメディエーターとの相互作用によって症状が増強されることが予想されるが今後の課題である。現在は抗原特異IgG,IgG_4が脱顆粒(脱酵素)に及ぼす影響について研究進行中であるが、よい成績は得られていない。
|