研究課題/領域番号 |
62480375
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
機能系基礎歯科学
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
石川 市次郎 新潟大学, 歯学部, 講師 (40018750)
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研究分担者 |
川瀬 知之 新潟大学, 歯学部, 助手 (90191999)
鈴木 〓俊 新潟大学, 歯学部, 教授 (10013905)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
5,700千円 (直接経費: 5,700千円)
1988年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1987年度: 4,700千円 (直接経費: 4,700千円)
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キーワード | 骨芽細胞 / 細胞内カルシウム / アルカリフォスファターゼ / 副甲状腺ホルモン / フッ素イオン / 細胞内情報伝達物質 / 象牙芽細胞 / 造骨細胞 / 石灰化 / cyclicAMP / ホスファチジン酸 / MaF |
研究概要 |
細胞内情報伝達物質として、cAMPと同様に細胞内カルシウム([Ca^<2+>]i)が重要と考えられる。我々は、既にラットの歯髄細胞(象牙芽細胞を含む細胞)での副甲状腺ホルモン(PTH)によるアルカリフォスファターゼ(ALP)活性とcAMP及び外液Ca^<2+>との関連性を追求してきた。これらの関係を骨と比較するために初代培養の造骨細胞(骨芽細胞)での[Ca^<2+>]iの動態について研究した。 初年度は、骨芽細胞をマウス新生仔及び胎児頭蓋骨より酵素逐次消化法で分離する手技を確立した。また、継代培養技術と継代培養での分化機能の維持に関する基礎的検討を行った。一方、ニコン顕微蛍光測光システムによる[Ca^<2+>]i測定技術の確立のため、既知の線維芽細胞(L細胞)でNaFの作用を検討し、F^-が[Ca^<2+>]iを上昇させることを報告した。 初代培養の骨芽細胞ではphosphatidyl inositol代謝物のphosphatidic acid(PA)が[Ca^<2+>]iを上昇させることを発見した。しかし、この系では他の細胞(線維芽細胞など)が混入し、[Ca^<2+>]iの測定視野中に入ることを考慮し、単一細胞群で検討する必要性がでてきた。 最終年度では、単一細胞群の骨芽細胞株を樹立し、骨芽細胞様細胞(MOB3ー4細胞と命名)を得た。この細胞で、PTHによる[Ca^<2+>]iの上昇とALP活性の反応が出現するためには細胞密度の増加状態が必要であった。また、高密度の細胞でのF^-による[Ca^<2+>]iの上昇パターンはPTHと類似していた。さらに、この細胞はcollagen typeIを産生し、臓器非特異型ALPを有し、1.25(OH)_2vitamin D_3、PTH、およびprostaglandin E_2でALP活性が増加し、[Ca^<2+>]iも上昇した。また、PAの添加でも[Ca^<2+>]iとALP活性の増加を観察した。 以上、本研究で我々が樹立した骨芽細胞様細胞株において、[Ca^<2+>]iの変化がALP活性を調節していると考えられ、ラットの象牙芽細胞でも、その可能性が示唆された。
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