研究課題/領域番号 |
62480381
|
研究種目 |
一般研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
機能系基礎歯科学
|
研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
加藤 有三 長崎大学, 歯学部, 教授 (20014128)
|
研究分担者 |
山田 美穂 長崎大学, 歯学部, 助手 (50191341)
山本 健二 長崎大学, 歯学部, 助教授 (40091326)
|
研究期間 (年度) |
1987 – 1988
|
研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
|
配分額 *注記 |
6,300千円 (直接経費: 6,300千円)
1988年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1987年度: 4,800千円 (直接経費: 4,800千円)
|
キーワード | リソゾーム性酵素 / カテプシンD / カテプシンE / カテプシンB / カテプシンH / カテプシンL / メダラシン / リソゾーム酵素 / 抗炎症剤 |
研究概要 |
歯や骨などの硬組織は成長や老化の過程で僅かずつ変化を続けている。一方感染性の炎症が起こったり、物理的な外来性刺激が加えられると、これらの硬組織はしばしば形態と機能の両面において積極的な変化を遂げる。こうした硬組織生理的病理的な変化に生体由来のリソゾーム性プロテアーゼが深く関っていると考えられているが、どのようなプロテアーゼが、どのような形で関与しているのか等、プロテアーゼの機能の詳細については-殆んど解明されていない。本研究は、こうした硬組織の変化に関るプロテアーゼの役割を知るための基礎的研究をするために企図されたものであり、具体的には、各種プロテアーゼの分離精製と抗体作成、それを用いての免疫生化学的免疫組織学的検索を行うことを再重点課題としている。初年度の研究では、システムインプロテアーゼのカテプシンBおよびHとセリンプロテアーゼのメダラシンの分離精製とそれぞれに対する特異抗体の作成が行われ、各酵素の性質が明確にされた。次年度には、アスパルティックプロテアーゼのカテプシンDおよびEの分離精製とそれぞれの特異抗体の作成が行われ、両者の生体内分布が明らかにされるとともに、両者の機能上の相違を示唆するデータを得た。両年度を通じて、硬組織の病態変化モデルとして歯周疾患時の歯周組織の破壊機構を取り上げ、各酵素の同定と量的変化を調べた。各酵素とも、歯周疾患の病勢が進むに従って増大することが示されたが、カテプシンB,HおよびLのシステインプロテアーゼが直線的な増加を示すのに対し、メダラシンは歯周疾患の比較的軽度の段階でプラトーに達して変化を示さなくなる等、各酵素の滲出パターンには差異が見られた。カラプシンDおよびEは、本疾患の重症時に検出されるのみであった。本研究を通じて、各種のリソゾーム性プロテアーゼが硬組織の病態発現とその進行に密接に関与していることが明確にされた。
|