研究課題/領域番号 |
62480390
|
研究種目 |
一般研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
補綴理工系歯学
|
研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
津留 宏道 広島大学, 歯学部, 教授 (90034157)
|
研究分担者 |
里見 圭一 広島大学, 歯学部, 助手 (30205984)
橋本 正毅 広島大学, 歯学部, 助手 (80189505)
佐藤 裕二 広島大学, 歯学部附属病院, 助手 (70187251)
|
研究期間 (年度) |
1987 – 1988
|
研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
|
配分額 *注記 |
5,900千円 (直接経費: 5,900千円)
1988年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1987年度: 4,100千円 (直接経費: 4,100千円)
|
キーワード | インプラント / インプラント周囲組織の病態 / プラーク付着 / プラーク |
研究概要 |
昭和62年度並びに63年度の2年間にわたり、日本猿(9頭)の口腔内に植立したインプラント(36本)の内、半数は実験的にプラークを付着させ、他の半数は対照として通常のプラークコントロールを行い、プラーク付着に伴う植立12カ月後までのインプラント周囲組織の病態を検討し、以下の知見を得た。 1.プラーク付着を図る目的で、インプラント頸部に絹糸を結紮した側(結紮側)では、インプラント、天然歯部のいずれにおいてもPlaque Index(P.I.)、Gingival Index(G.I.)、歯肉溝滲出液量が結紮1カ月後より増加し、4、5カ月後に一定値に達した。また、Probing Depth(P.D.)は結紮2カ月後より増加し、6カ月後よりほぼ一定値を示した。プラークコントロール側では観察期間を通じ、これらの測定値は結紮側に比較して低く、一定であった。X線学的にはプラークコントロール側と結紮側との間でインプラント周囲骨組織の構造に大きな違いは認められず、破壊的な所見は観察されなかった。 2.組織学的にはプラークコントロール側では観察期間を通じて天然歯、インプラント部ともに歯肉縁や内縁側の上皮下に軽度の細胞浸潤を示すにすぎなかった。一方、結紮側のインプラント、天然歯周回歯肉では歯肉溝上皮や接合上皮に上皮内水腫や上皮釘脚の伸展がみられ、歯肉結合組織に種々の程度に急性あるいは慢性炎症細胞浸潤を伴っていた。特に隣接面に接合上皮に深行増殖やポケット形成がしばしば観察されたが、炎症性変化は歯肉組織に限局し、インプラント・骨界面にはほとんど波及していなかった。 以上の所見より、インプラントの臨床応用に際してのプラークコントロールの重要性が明らかであり、また、インプラント周囲歯肉にも天然歯部と同様の細菌侵襲に対する障壁機能の備わることが推測された。
|