研究課題/領域番号 |
62480421
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生物系薬学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
市川 厚 京都大学, 薬学部, 教授 (10025695)
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研究分担者 |
八浪 公夫 京都大学, 薬学部, 助手 (30191141)
斎藤 光實 京都大学, 薬学部(昭和62,63年度), 助教授 (80025717)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 6,500千円)
1989年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1988年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1987年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
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キーワード | 炎症の生化学 / 肥満細胞 / ヒスチジン脱炭酸酵素 / ヒスタミン / PGD_2 / 血管内皮細胞 / カルシウム / グルココルチコイド / 炎症 / プロスタグランジンD_2 / サイクリックAMP / ヒスタミン生合成酵素 / 血小板 |
研究概要 |
本研究は、様々な生理活性物質を産生・分泌し、炎症反応の諸過程において多様な細胞機能を発揮している肥満細胞について;肥満細胞の機能の調節、肥満細胞と炎症関与他細胞との細胞機能相関を明らかにすることを目的としたものである。 1.肥満細胞の機能の調節;(1)ヒスタミン分泌活性についてcompound48/80の活性12量体オリゴマ-を合成し、そのCa^<2+>依存的ヒスタミン分泌活性の作用機構を検討し、ヒスタミン分泌反応に必須の代謝はリン脂質分子間の分子種交換反応を介してある種のリン脂質にアラキドン酸が集積し、それがCa^<2+>依存的ホスホリパ-ゼA_2で水解される系を明らかにした。(2)ヒスタミン合成活性においては、初めて肥満細胞由来のヒスチジン脱炭酸酵素を単一蛋白として精製した。また、肥満細胞の酵素の合成は、グルココルチコイドとそれを促進的に修飾するCキナ-ゼ活性によって制御されている事を明らかにした。(3)肥満細胞由来のPGD_2のレセプタ-反応を肥満細胞で検討し、リン酸化-脱リン酸化反応でレセプタ-とリガンドの結合が調節されていることを発見した。 2.肥満細胞と他細胞との細胞相関;(1)肥満細胞と血管内皮細胞間には、PGD_2/DELTA^<12>-PGJ_2が内皮細胞に作用してpI5.4の31kDa分子量の新規の蛋白質のde novo合成を促進する事を発見した。(2)肥満細胞由来のPGD_2は血管内皮細胞に作用して好中球の接着を促進した。この作用はLTB_4より強力である。(3)未分化型肥満細胞は、TPAで活性化した血管内皮細胞に接着する。このTPA作用は、Cキナ-ゼの活性化による内皮細胞での接着因子の合成によることがわかった。 以上の諸結果を通し、肥満細胞は炎症時には勿論正常組織代謝において重要な機能を果たしている事がわかった。
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