研究課題/領域番号 |
62480423
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生物系薬学
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
古谷 力 北里大学, 薬学部, 教授 (10050345)
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研究分担者 |
折原 裕 北里大学, 薬学部, 助手 (30137905)
綾部 真一 北里大学, 薬学部, 助手 (40050679)
吉川 孝文 北里大学, 薬学部, 助教授 (80050540)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
5,500千円 (直接経費: 5,500千円)
1989年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1988年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1987年度: 3,900千円 (直接経費: 3,900千円)
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キーワード | ベニバナ / ビタミンE / トコフェロ-ル / 葉緑体 / 緑化細胞 / フィト-ル / 細胞融合 / プロトプラスト / エレクトロポレ-ション / マイクロインジェクション / ベニバナ(Carthamus tinctorius) / トコフェロール / 細胞培養 / 選抜 / 物質生産 / サフラワー(Safflower) |
研究概要 |
本研究は(1)原植物の葉肉細胞のプロトプラストを得て、それと培養細胞由来のプロトプラストを電気融合装置を用いて融合させ、緑化細胞を得る。(2)原植物より単離した葉緑体をエレクトロポレ-ションと呼ばれる方法で、細胞に電気的に穴をあけてそこから注入する。(3)単離葉緑体をマイクロインジェクションと呼ばれる方法で、直接注入する。以上の3つの新しい方法で葉緑体を多量に持つ緑化培養細胞を得、トコフェロ-ルの増量を計ることを主眼としたが、現在までに上に挙げた新しい3つの方法によっては緑化細胞を分離することは出来なかった。培養細胞や葉肉細胞のプロトプラスト化、および精製プロトプラストの獲得には成功したが、プロトプラストが物理的な刺激、振動、浸透圧変化等に極端に弱く、何れの方法によっても、緑化細胞の単離には至らなかった。 しかし、種々の培地条件の検討により、ベニバナの緑化細胞の分離を試み、わずかに緑化した新しい株の分離には成功した。1983年芽生えより新しくカルス化したCa-2株は以前に分離したCaf-B2KC株の3.32倍の高含量を示した。さらに、生合成前駆体のフィト-ル投与により4.5倍の増量が認められ、しかもそのうちの82.6%がα-トコフェロ-ルという非常に品質的に優れた抽出物が得られた。 さらに、分離後直ちに光照射下で培養したCa-3株は、やや緑化した株であったが、Ca-3株では、静置培養の段階で、既にCa-2株の1.48倍の値を示しているので、培養条件の検討により、より一層の増量も期待できる。 以上のように、本研究により、当初の目標通り緑化細胞の確立がトコフェロ-ル形成に必須であることが明らかにされた。従って、今後はさらに種々の条件を検討し緑化することにより、より一層のトコフェロ-ル高生産株の確立も可能であることが示された。
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