研究課題/領域番号 |
62480452
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
物質生物化学
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
高井 義美 神戸大学, 医学部, 教授 (60093514)
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研究分担者 |
山下 孝之 神戸大学, 医学部, 助手 (10166671)
貝淵 弘三 神戸大学, 医学部, 講師 (00169377)
川原 康洋 神戸大学, 医学部, 助手 (80169755)
菊池 章 神戸大学, 医学部, 助手 (10204827)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
6,200千円 (直接経費: 6,200千円)
1988年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1987年度: 4,200千円 (直接経費: 4,200千円)
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キーワード | イノシトールリン脂質 / 細胞膜受容体 / ホスホリパーゼC / GTP結合蛋白質 / Cキナーゼ / 細胞増殖因子 / 受容体 / ジグリセリド / イノシトール三リン酸 |
研究概要 |
種々の細胞外シグナルがホスホリパーゼC(PLC)を活性化して細胞膜のイノシトールリン脂質代謝を促進し、CキナーゼとCa^<2+>の2つの細胞内伝達系を作動させることはすでに確立している。しかし、この受容体による、PLCの制御機構の物質的基盤は確立していない。最近、<ras>___ー蛋白質(<ras>___ーP21)を含めるある種のGTP結合蛋白質(G蛋白質)が受容体とPLCとの共役に関与することが示唆されているが、その実体は不明である。本研究では、私共はまず膜結合型PLCと<ras>___ーP21およびその類似G蛋白質の精製を試みた。その結果、膜結合型PLCを部分精製しその性状の一端を明らかにしている。さらに、種々の組織より分子量2万余りのG蛋白質を多数分離し、そのうち既知のc-Ki-<ras>___ーP21と<rho>___ー蛋白質の2種類と今回<smg>___ーP25Aと<smg>___ーP21と命名した新しい2種類のG蛋白質を均一にまで精製することに成功している。現在、私共は精製したPLCとG蛋白質および受容体を試験管内で再構成することを試みている。一方、私共はCキナーゼが受容体とPLCとの共役を阻害することを見出していたが、その脱共役機構は明らかではなかった。本研究で、私共はまずHLー60細胞の細胞膜標品を用いてCキナーゼが受容体とG蛋白質およびG蛋白質とPLCとの共役を阻害することを明らかにしている。さらに、NIH/3T3細胞と血管平滑筋細胞では、ある種の受容体とPLCとの共役に対しては、CキナーゼはG蛋白質とPLCとの共役を阻害してこれを脱共役するが、G蛋白質の関与が明らかでない他のある種の受容体とPLCとの共役に対してはCキナーゼはこれを脱共役しないことを明らかにしている。このように受容体とPLCとの共役と脱共役の機構には多様性があることが示唆された。以上の成績を得たことにより、本研究の研究計画はほぼ達成することができたと考えている。
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