研究課題/領域番号 |
62490008
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
広領域
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研究機関 | 東京大学 (1988-1989) 浜松医科大学 (1987) |
研究代表者 |
芳賀 達也 東京大学, 医学部(医), 教授 (30011646)
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研究分担者 |
市山 新 浜松医科大学, 医学部, 教授 (90025601)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
5,900千円 (直接経費: 5,900千円)
1989年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1988年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1987年度: 3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
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キーワード | ムスカリン受容体 / アセチルコリン受容体 / G蛋白質 / ピレンゼピン / 再構成 / レセプタ- / リン酸化 / プロテインキナ-ゼC / ムスカリン性アセチルコリン受容体 / GTP結合蛋白質 / レセプター |
研究概要 |
精製ムスカリン受容体と精製G蛋白質の試験管内再構成系を主な材料として以下の結果を得た〓(1)受容体の構造とリガント結合:(a)エンドグリコシダ-ゼF処理で糖鎖を除去しても(分子量が7から5万に減少)ムスカリン性リガント及びG蛋白質との相互作用には影響がない。(b)不可逆的標識試薬[^3H]PrBCM(Propylbenzylcholine mustard)結合部位はN末端より数えて2番目と3番目の細胞膜貫通部分を含む部分に、蛋白質キナ-ゼCによるリン酸化部位はC末端側の分子量12-14kDaのペプチド鎖上にある。(c)N末端側から2番目と3番目の細胞外ル-プ間(Cys98-Cys178)にS-S結合がある。また、受容体のCYS残基の酸化・還元でリガントに対する親和性が変る。(d)ピレンゼピンに対するサブタイプ特異的親和性の発現にはムスカリン受容体と特定の脂質の相互作用が必要である。(2)ムスカリン受容体とG蛋白質の相互作用:ブタ大脳(主としてmlサブタイプ)あるいは心房(m2サブタイプ)いずれから精製した受容体も3種のG蛋白質(Gi(α_<41>βγ)、Go(α_<39>βγ)、Gn(α_<40>βγ)とリン脂質中で相互作用する。この相互作用はアゴニスト・受容体・G蛋白質3量体の生成、GTPあるいはGDPによる3量体の解離を仮定して説明できる。(3)ムスカリン受容体のリン酸化:大脳受容体は蛋白質キナ-ゼCで、心房受容体は蛋白質キナ-ゼAでよくリン酸化される。アゴニスト依存性にムスカリン受容体をリン酸化する酵素(受容体キナ-ゼ)を部分精製した。大脳、心房いずれから精製した受容体もリン酸化される。受容体をG蛋白質と再構成させてから受容体キナ-ゼと反応させるとリン酸化が阻害されるが、GTPあるいはGDPを加えるとリン酸化が再び見られる。これらの結果は、先の3量体仮説を支持し、受容体のリン酸化部位とG蛋白質結合部位が近接していることを示唆する。リン酸化による機能調節の可能性を検討中である。
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