研究課題/領域番号 |
62490023
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
広領域
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研究機関 | 国立精神・神経センター |
研究代表者 |
荻野 孝史 国立精神・神経センター, 神経研究所, 室長 (50185526)
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研究分担者 |
小沢 宏 東京大学, 大型計算機センター, 助手 (10013749)
高橋 清久 国立精神, 神経センター・神経研究所, 部長 (30073076)
矢野 登志雄 国立精神, 神経センター・神経研究所, 研究員
成瀬 浩 国立精神, 神経センター・神経研究所診断研究部, 部長 (10159080)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
6,200千円 (直接経費: 6,200千円)
1989年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1988年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1987年度: 3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
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キーワード | NMR / 脳 / 代謝 / 安定同位体 / プロ-ブ / プローブ |
研究概要 |
今年度は、本研究で開発したin vivo^<13>CNMR測定のための動物実験系により、安定同位体^<13>Cで標識したグルコ-スの代謝動態の追跡が可能であるとともに、血液ー脳関門を介したグルコ-ス輸送過程に関する情報が得られることを明らかにした。 (1)24時間絶食後の体重200g前後のラットに、前年度作成した血中グルコ-ス濃度安定化インフュ-ジョン・スケジュ-ルに従って1ー^<13>C標識グルコ-スを投与した。同時に、本研究で開発したin vivo^<13>CNMR検出用高感度サ-フィスコイル・プロ-ブを用いて、大脳皮質領域を対象とし、5分間隔で^<13>CNMRスペクトルを測定した。 (2)^<13>C標識されたグルコ-スの1位の炭素は、TCA回路の1回転目でグルタミン酸のCー4位に移行し、2回転目からCー2位、Cー3位に移行することが報告されており、脳代謝においてもこれを支持する結果を得た。 (3)グルタミンへの標識の移行は、グルタミン酸を前駆体とすることを反映すると考えられる遅れを示した。 (4)血中グルコ-ス濃度は1分以内に安定化されているにも関わらず、脳内より検出される標識グルコ-スのピ-クは、定常値に達するまでに20分を要する緩慢な時間変化を示した。 (5)この遅延を、血液ー脳関門のグルコ-ス担体輸送過程の介在によるものと仮定し、過渡状態の解析から輸送過程の速度定数の推定を行い、放射性同位体を用いた実験の文献値とよく一致する結果を得た。 (6)以上より、今回開発した方法によって、実験的に変化させた生理状態下での血液ー脳関門の調節機構をin vivo NMRを用いて研究することが可能となった。
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