研究課題/領域番号 |
62510065
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
心理学
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
伊藤 正人 大阪市立大学, 文学部, 助教授 (70106334)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1988年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
1987年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 採餌選択 / 餌場の使用 / 強化量 / 強化頻度 / 餌の分布型 / 並立連鎖スケジュール / 切り替えキイ並立スケジュール / ラット / 切り替えレバー型並立スケジュール / 選択 / 強化率最大化原理 |
研究概要 |
本研究は、ラットを被験体として、継時選択場面および同時選択場面,で餌選択並びに餌場の使用の問題を検討した。餌選択の問題では、相対的によい餌(大強化量)とわるい餌(小強化量)の2種の餌の出現頻度が独立に増加する場合と減少する場合の効果を並立連鎖スケジュールを用いた同時選択場面で検討した。この結果、頻度増加条件では、大強化量選択肢の頻度が増加すると、大強化量の選択率は増加するが、小強化量選択肢が増加しても大強化量の選択率はあまり変化しなかった。頻度減少条件では、大強化量選択肢の頻度が減少すると、大強化量の選択率は減少したが、小強化量選択肢の頻度が減少しも大強化量の選択率はわずかな増加しか示さなかった。これらの事実は、強化量最大化原理にもとづく選択モデルからの予測とおおむね一致した。また、餌場の使用の問題では、餌の分布型の効果を新たに構成した継時選択場面で検討した。用いた餌の分布型は、ランダムな分布のモデルとしてポアソン分布、一様な分布のモデルとして2項分布、さらに、ある場所に集中して分布する場合のモデルとして負の2項分布の3種とした。各餌場は平均3個の餌があるものとした。探索時間と得られた餌の数との関係あるいは探索時間と最後に餌を捕ってからその餌場を去る時間(あきらめ時間)の関係からは、いずれの分布型でも探索時間の増加とともに餌の数あるいはあきらめ時間が増加するという結果となり、餌の分布型の効果は見いだせなかった。この結果にHerrnsteinのマッチングモデルを適用したところ、かなりよくあてはまることが見いだされた。以上の結果は、餌選択の場合も餌場の使用の場合も選択行動モデルの適用が可能であり、従って、これらの場面では、選択行動モデルが仮定した採餌選択の心理学的機制が働いていることを示唆していると考えられる。
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