研究課題/領域番号 |
62510084
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
社会学
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研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
松岡 昌則 秋田大学, 教育学部, 助教授 (70111242)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1989年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
1988年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1987年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 地域社会関係 / 近隣関係 / 近隣組 / 村落集団 / 村落運営 / シンセキ / 生活互助 / 村落内諸集団 / 現代村落 / 村落生活 / 家連合 / 集団構成 |
研究概要 |
本研究は、現代日本村落の地域生活を、他の人々ととりむすぶ関係を分析することによって、その構造と意味を捉えたものである。分析の視点は、それぞれの関係がどのような生活場面に機能し、そこにどのような相手が選択されるかの構造を明らかにすることにおいている。とくに地域社会関係の構造を、これまでの(1)同族や親族の関係のみならず、(2)村落内諸集団および(3)狭義の近隣組織・関係を加え、この三つの定型的なものの組み合わせのもつ意味を捉えようとした。調査対象地は、福井県坂井郡坂井町高柳と、宮城県伊具郡丸森町田林である。高柳は、シンセキや村落内の諸集団の機能が弱く、近隣集団が主要な互助の関係をつくっている。集団の構成も、この近隣集団を母体(基盤)にしてつくられており、とりわけ班としての近隣組機能の重要性を指摘した。田林は、戸数も少なく、村落が全体として、自治的な運営を行い、生活の細部にわたって、とりきめがつくられている。二つの行政地区にまたがるが、集団も多くが全体で構成され、自治機能を補完している。したがって、近隣の機能はパ-ソナルな生活場面にあらわれるが、これが住民の地域生活にとって日常における互助の基本をつくっている。ただ、いずれの地区とも、農業経営は十分でなく、農業に関する社会関係は重要性を後退させ、日常的な生活における社会関係が近隣を媒介にして重要性を増大させている。集団の構成も、村落のぐるみ的な対応が困難になっている状況のなかで、近接居住にもとづく活動に比重をおきつつある。これら二つの事例を通して、現代日本村落に住民の生活を包括的に保障するしくみがなくなってきたプロセスを明らかにするとともに、現代における生活保障システムの構築にむけて、近隣組機能の増大をはかるべき事実を提起した。
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