研究課題/領域番号 |
62510089
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
社会学
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研究機関 | 島根大学 |
研究代表者 |
井上 寛 島根大学, 法文学部, 助教授 (10037004)
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研究分担者 |
中村 宏 島根大学, 法文学部, 教授 (40093653)
白倉 幸男 北海道大学, 文学部, 助教授 (20135643)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1988年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1987年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 影響力 / 権力 / 政治システム / 地方政治 / 寡頭制 / 多元主義 / 派閥 / ネットワーク / クリーク / マルチクリーカル / 切断点 / リーダー / フオロワー / 利益団体 / 系列化 |
研究概要 |
概念的には政治家の影響力を政治内システムと政治外システムとでまず区別することが好ましいことを想案している。なぜならそれによって権力(影響力)測定のあいまいさが減るからである。さらにそこから政治システムの諸部分の自律性が明らかになる。政策決定や利益誘導に何の力も行使できない議員の存在理由が明らかになるのである。寡頭制と多元主義の測述は上記の識別によってのみ意味をもってくると思われる。 従来の研究は地域社会の異なるセクターのリーダー層の関係に注目していたが、本研究はむしろ異なるレベルの青磁の連関に焦点を置いた。すなわち日本の地方政治は国政を抜きに論じることはできない。特に島根県の場合は41人の県議のうち31人が自民党議員である。そして3人の無派閥を除いて28人は3人の国会議員に系列化されている。大きい順に16、7、5人の構成である。これらに保守系の県新クラブ3人、5人の社会党、公明と民社各1である。各種委員会の主導権は自民党に独占されている。そして派閥間の均衡を重視したローテーションが人事の暗黙のルールとなっている。いいかえると権力の分散である。 かくて圧倒的な権力エリート集団を発現することはできない。一方で国政レベルに系列化し、他方でクリーク間のバランスが配慮される。ただし野党から見た場合には自民党の寡頭政治である。しかし、二つの残された課題があり、それらの知見によって本研究は終了するはずである。一つは野党のインフォーマルな影響力は与党自民党の力と異なるか。第二に県議は政策決定にどの程度の影響力を行使できるか。行政と議会の関係を個別イシューをめぐって観察する必要がある。
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