研究課題/領域番号 |
62510101
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
社会学
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研究機関 | 佛教大学 |
研究代表者 |
倉橋 重史 佛教大学, 社会学部, 教授 (90067835)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1988年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1987年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
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キーワード | 「もの」 の人化 / 人の 「もの」 化 / 意味付与 / 技術 / 価値 / 「もの」の人化 / 人の「もの」化 / 「もの」社会の重層構造 / 「もの」性の意味付与 / 行為論 / 価値意識 / 科学技術 / 情報 |
研究概要 |
人間の生活と社会にとって 「もの」 は不可欠である。このような重要な 「もの」 を社会学的にどのようにみるか、本研究の目的はそこにあった。 本研究では、次の5点を問題にした。1. 「もの」 とは何か、2. 「もの」 と人間との関係、3. 「もの」 社会とはどのような社会か、4.それをみる社会学的視点、5. 「もの」 と技術及び価値との関連性、である。 1.に関して、 「もの」 の 「もの」 性は、人間の、また社会の 「もの」 に対する意味付与によって生じる。そこに知識社会学的にいえば、 「もの」 性の社会的被制約性があるといえる。2.に関して、 「もの」 と人との関係は、ロボット、人工臓器にみられるような 「もの」 の人化と、奴隷にみられるような人の 「もの」 化の二つの側面及びプロセスとしてとらえることができる。その場合、 「もの」 と人との対立と強調の関係をみることが必要になる。3.に関して、地球上では経済成長の格差によって 「もの」 不足社会と過剰社会の二極分化がみられ、さらに階層的・文化的な 「もの」 生活の違いによって、 「もの」 社会は多重的な構造であるとみなければならない4.に関して、 「もの」 社会をとらえる視点として、 「もの」 の所有、分配、消費等の人間の行為のレベル、つまりミクロ・レベルと地域社会的なミドル・レベル、全体社会的なマクロ・レベルの三つに分けることができる。そして、それぞれのレベルは独自性を有しつつ、相互に包摂的・重層的関係を有している。5.に関して、 「もの」 社会の社会的視点として、とくに技術と価値に注目しなければならない。それは、 「もの」 社会を形成し、発展させる原動力として技術の果す役割が大であり、その前提として、 「もの」 性の意味付与に関わる価値に注目することが不可欠であるからである。以上の基本的な問題点をふまえて、今後、具体的な衣食住の問題に応用させたい。
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