研究課題/領域番号 |
62510104
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
社会学
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
木田 融男 立命館大学, 産業社会学部, 助教授 (50094503)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1989年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
1988年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1987年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
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キーワード | 国際化 / 「空洞化」 / 流動化 / 「多角化」 / 配職 / 出向 / 社外派遣 / 「指名解雇」 / 配転 / 他社派遣 / 経営多角化 / 生産の国際化 / 日本産業の「空洞化」 / 鉄鋼業 / 自動車産業 / 労働者の労働と生活 / 下請企業労働者 / 地域住民 |
研究概要 |
本年度は、今まで自動車産業(トヨタ自動車を中心)、鉄鋼業(住友金属和歌山製鉄所および日本鋼管(NK)福山製鉄所)、造船業(日立造船因島工場)などの国際化とりわけ「空洞化」の影響に関する調査研究を行ったものについて、まとめの作業を行った。同時に必要な範囲で東京の関連機関をも含めて補捉調査を行った。そこで得られた知見は次のようなものである。1.トヨタ自動車に見る自動車産業では、アメリカのみならずイギリスにも進出を開始したトヨタの国際化の動向下で、(1)国内の労働者の急速な流動化、MC化が行なわれていること。(2)国際化に伴なう外国人・外国文化との交流が日本労働者に対して、より日本および自らの企業への包摂を深めていること。(3)地域社会が外国輸出向けの進路建設等で影響を被っていること。等であった。また住金やNKに見る鉄鋼業2.においては、次のようなものである。(1)労働者および下請労働者の激しい流動化が、出向・配職・社外派遣・「指名解雇」等により行なわれていること。(2)製鉄からソフト産業への「多角化」が共通に見られること。(3)この間の「合理化」が、好収益の状況を生み出していること。等であった。また3.造船業とりわけ日立造船因島工場は次のようなものである。(1)造船不況が因島工場の造船部門閉鎖を生み出したこと。(2)造船関連労働者は転業あるいは「多角化」の中でソフト部門・他部門への転換を経験していること。(3)因島市などでは造船業低下に伴なう地域復興のための多くの試みを行っていること。等であった。以上の調査研究から、日本の主要製造業の国際化が、国内の労働者、関連、下請、地域に対して、(1)労働・生活の根本的見直しにつながる流動化をもたらしていること。(2)ハ-ド産業からソフト産業への「多角化」をもたらしていること。(3)地域構造の再編をもたらしていること。等の影響が具体的に把捉された。
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