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「産業主義」と「社会主義」との思想連関にかんするサン・シモンとフーリエの比較研究

研究課題

研究課題/領域番号 62510106
研究種目

一般研究(C)

配分区分補助金
研究分野 社会学
研究機関大阪産業大学

研究代表者

松田 昇  大阪産業大学, 教養部, 教授 (00030049)

研究期間 (年度) 1987
研究課題ステータス 完了 (1987年度)
配分額 *注記
800千円 (直接経費: 800千円)
1987年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
研究概要

「社会主義」という用語は, 一般に, サン・シモン派に属したことのあるPルソーにより, 1834年発表の論稿で初めて「個人主義」と対比して使われたといわれる. しかしその10年前に「産業主義」という用語を造ったサン・シモンは, すでに著書『組織者』のなかで, 「文明の状態に比例したune doctrine socialeを確立すること」を説き, 「社会教養(学説)」という表現を用いているのである. たしかにサン・シモンは「社会主義」という語を用いてはいない. しかし彼が「産業主義」を提唱したのは, 一方で当時支配的な封建的「軍事主義」を根底的に批判することを主目的としつつ, 他方で自らの思想を個人的利得の増大への自由な努力, つまり個別的・特殊的利害の追求を最優先する自由主義的経済学者のそれと区別するためであった. したがって彼は, 「利己主義は人類の道徳的な癌」と批判し, 一般的利害と特殊的利害との統一を主唱したのであり, そのためにこそ「博愛主義」としての「道徳」「宗教」を説き, そしてここから「共感」をその根幹とする単一化された普遍的協同社会を構想するのである. それに対してフーリエは, 確かにサン・シモン(派)の賞掲する「産業主義」を論難した. しかし彼は, 「商業の虚偽性」と「農業の分割化」を批判し, 「産業(勤労)」自体を否定しているのではない. むしろ彼は産業を人間本来の「情念」に合致するように組織し直すこと, すなわち「労働を喜びに変える」「産業的魅力の機制」の組織化を主張するのである. そして彼は「情念」を説き, 「反感」をも内包する統合的な協同社会を構想する. 「産業主義」への懐疑を基本的性格とする現代の「脱産業社会」論者がフーリエに注目するのは, サン・シモンに欠如していた地域社会」「家族」, さらには「生活」「環境」「レジャー」の諸論にフーリエが言及しているからであろう. サン・シモンの「人間論」「芸術論」が課題である.

報告書

(1件)
  • 1987 実績報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 松田 昇: 社会思想史の窓. 51. (1988)

    • 関連する報告書
      1987 実績報告書
  • [文献書誌] 松田 昇: 社会学部紀要〔中京大学〕. 3. (1988)

    • 関連する報告書
      1987 実績報告書

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公開日: 1987-04-01   更新日: 2016-04-21  

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