研究課題/領域番号 |
62510126
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
教育学
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研究機関 | 愛知教育大学 |
研究代表者 |
伊藤 敏行 愛知教育大学, 教育学部, 教授 (50023974)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1988年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1987年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 教育立法 / 教育政策 / 教育法 / 枢密院 / 教育法規の勅令主義 / 小学校令 / 義務教育法案 / 義務教育年限延長 |
研究概要 |
本研究によって得られた新たな知見・成果は次のとおりである。 1.従来この分野の研究においては、明治期のその慣行の成立及び法制化による確立の段階までにとどまっており、それ以後の進行の過程については殆んど究明されていない。教育立法の勅令主義は形式上は敗戦まで一貫して保持されたけれども、その過程においてはさまざまな批判・問題をはらみ、大きな矛盾を露呈したのであり、これらに関するかなりの資料を集めることができ、またその要因、問題の所在を明確にし得た。 2.この分野の資料の存在の特質は線としての資料というよりも、点としての資料の存在状況にある。 3.資料の存在状況によって明らかにし得た点、即ち勅令主義史上の点とは次の四つである。(1)大正期の政党政治下、大正14年の第50回帝国議会における「国民教育、根本的革新ニ関スル建議」に集約される政党の教育政策中のからである。(2)昭和初期、昭和8年の第64回帝国議会における「教育革新ニ関スル建議」に集約される政党の教育政策のなかからである。(3)昭和12年の「義務教育法案」策定の時点であり、政府が従来の小学校令(勅令)で規定していた内容の一部を新たに義務教育法によって規定するという法律化への転換を意図したことである。(4)総動員法体制が求められ、そのなかで、教育の勅令主義に深いかかわりをもつ枢密院の諮詢事項に関する整理の時点である。具体的には枢密院官制の改正であるが、このことは教育立法の勅令主義の確立の基本となった明治23年の「勅定ノ御沙汰書」の失効を意味するものである。 4.以上四つの点のうち(1)(2)は論調的資料であるがより重要なのは(3)(4)にみられる勅令から法律への転換にかかわる事実資料の発見である。このことはこの課題究明のためには大収穫であった。
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