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南西諸島における「老人」をめぐる文化人類学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 62510161
研究種目

一般研究(C)

配分区分補助金
研究分野 文化人類学
研究機関福岡大学

研究代表者

片田 順  福岡大学, 人文学部, 教授 (90037052)

研究分担者 真栄平 房昭  九州大学, 文学部, 助手
安達 義弘  九州大学, 文学部, 助手 (60175891)
研究期間 (年度) 1987
研究課題ステータス 完了 (1987年度)
配分額 *注記
1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1987年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
キーワード沖縄 / 老人文化 / 敬老思想 / 長寿儀礼 / 祖先崇拝 / 家譜
研究概要

長寿国日本の中でも, 平均寿命および百歳以上の長寿者率が男女共に日本一であり, 一方, 日本の三大死因である心臓病, がん, 脳卒中がもっとも少なく, また, 高齢者の自殺率がもっとも低い"沖縄"における長寿の文化を, 文化人類学, 宗教学, 歴史学の側面から多角的に研究した.
1.沖縄本島において高齢者率がもっとも高い北部の大宜味村を中心に実体調査を行なった結果, 日本の他の村落との著しい相違として以下の諸点が明らかになった. (1)還暦を意識せず, 隠居慣行がないなど本土とは異なる老人線をもつ. (2)老人のひとり暮しを支える伝統的ユイマール精神の存在. (3)離村した家族をつなぐ郷友会組織の役割. (4)芭蕉布や野菜づくりなど郷土に老人産業があること. (5)高齢に達したことを社会全体で祝福し, 周りの人たちすべてがその長寿にあやかろうとする, トーカチ(88歳), カジマヤー(97歳)などの長寿儀礼がきわめて盛大に行われている.
2.宗教学の側面から, 男女老人の宗教文化とのかかわりを焦点に村落や親族の祭礼において老人が占める位置と役割を考察した. その結果, (1)祖先観と敬老が結びつくなど生と死が連続している. (2)年中行事を通して祖先との語らいの場が多い. (3)長寿者の死にはむしろ祝福される面がある. (4)老人踊りなど高齢者の盛んな芸能活動, が実証された.
3.また歴史的には, 琉球王府の正史である「球陽」などの史料調査によって, 前近代の沖縄における老人像を抽出した. 即ち, 清代儒教思想の受容によって中国的な「敬老」思想が定着し, それが行政レベルにおける老人保護の意識となって, "70歳以上は罪を問わず"などの老人優遇の法令として実行されたことが確認された. 今後も引き続いて, 沖縄における長寿文化の研究を深めるため, ライフヒストリーの分析, 神役と老人性のかかわり, 「家譜」を中心とした沖縄のイエ制度と老人の位置付け, などの研究を展開していきたい.

報告書

(1件)
  • 1987 実績報告書
  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 片多 順: 福岡大学人文論叢. 19-3. (1988)

    • 関連する報告書
      1987 実績報告書
  • [文献書誌] 安達 義弘: 南島史学会. (1988)

    • 関連する報告書
      1987 実績報告書
  • [文献書誌] 真栄平 房昭(共著): "『沖法の宗教と民俗』" 第一書房, 766 (1988)

    • 関連する報告書
      1987 実績報告書

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公開日: 1987-04-01   更新日: 2016-04-21  

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