研究課題/領域番号 |
62510166
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
日本史
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
黒田 日出男 東京大学, 史料編纂所, 助教授 (90013284)
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研究分担者 |
塚田 孝 大阪市立大学, 文学部, 講師 (60126125)
宮崎 勝美 東京大学, 史料編纂所, 助手 (60143533)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1988年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1987年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 参詣曼荼羅 / 西国三十三カ所観音霊場 / 絵解き / 絵画史料 / 図像 / イコノグラフィー / 象徴 / 絵図 / 参詣曼茶羅 / 西国三十三ヵ所観音霊場 / 民衆宗教 / 民間信仰 / 画像 |
研究概要 |
昭和62・63両年度の研究成果は、大凡以下に記す通りである。 1.寺社参詣曼荼羅図(以下、参詣曼荼羅図と略記)の所在情報については、多くの研究者・研究機関及び所蔵者に問い合わせるなどして、それらの情報をデータベース化しつつあるが、なお参詣曼荼羅図が次々に発見され続けている状態にあるので、今後の調査の継続と、データベースの完成を目指す作業を続行しなければならない。 2.基本的な参詣曼荼羅図については、ほぼ写真焼き付けを完了することが出来た。これによって、研究材料の蓄積では所期の目標を達成出来たと言える。 3.西国三十三カ所観音霊場諸寺院の調査を繰り返し行い、多くの知見を得ることが出来た。その成果の一部として、「清水寺参詣曼荼羅図」についての中間発表を行ったが、「施福寺参詣曼荼羅図」や「長命寺参詣曼荼羅図」などの個別参詣曼荼羅図についての研究も逐次発表していく予定である。 4.民間信仰・芸能民・被差別民関係の史料所在情報の莵集については、第一段階の作業を行うにとどまった。今後の作業を期したい。 5.「熊野観心十界曼荼羅」については、現在知られている諸本の写真焼き付けを終り、分析作業も一応の結論に到達したので、「熊野観心十界曼荼羅の宇宙」と題する論文にまとめることが出来た。 6.参詣曼荼羅研究の発展のためには、そのコードの解明が不可欠である。諸参詣曼荼羅に象徴的に描かれている日輪・月輪と雲、山や岩、川や池・海、諸種の樹木(杉・桜・梅など)、そして建築物や多様な人物などの諸図像の持つ「意味」を明らかにするとともに、それらの諸図像を布置・構成する「統辞法」が把握されなければならない。この基本課題についての分析・検討作業を、かなり綿密に行ったので、一両年中に二、三の報告・論文を用意する予定である。
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