研究課題/領域番号 |
62510177
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
日本史
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研究機関 | 京都女子大学 |
研究代表者 |
中山 清 京都女子大学, 文学部, 助教授 (30172472)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1989年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1988年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1987年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
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キーワード | 米作単作地帯 / 巨大地主 / 「江戸期型」 / 「幕末期型」 / 「明治期型」 / 土地集積 / 階層分化 / 割地制 / 藩財政 / 大地主 / 頚城地方 / 質地騒動 / 地主制 / 新潟県(蒲原地方, 頚城地方) / 巨大地主(千町歩地主) / 地主経営 |
研究概要 |
近代日本地主制の構成をみると、米作単作地帯、とくに新潟県において巨大地主の集中的存在を特質とした地主の展開状況を確めることができる。大正13年には全国の土地所有規模500町歩以上の巨大地主22名(除北海道・沖縄)のうち9名が新潟県に存在した。これら巨大地主諸家の大半は新潟県の中でも広大な水田地帯である蒲原・頸城両平野部に集中していたが、いずれもその地主的生成は江戸期に遡って確められる。 江戸期における土地集積・所持過程の究明により、以下のような三類型を抽出し、諸家を区分することができる。 第一類型 江戸期型 宝暦〜天明期を生成期とし、寛政〜化政期を展開期として巨大化を達成。天保以降幕末期は固定化し、明治初年に再編期を迎える。 第二類型 幕末期型 諸家により生成時期に遅速はあるが、緩やかな生成過程を天保初期まで続け、幕末期に巨大化を達成。明治期にも成長を継続する。 第三類型 明治期型 幕末期に地主的成長を開始し生成期を終え、明治期に入って巨大化を達成。 以上の究明結果からみて、限られた史実による巨大地主=新田地主とする見解や、明治以降の生成とする見解は訂正されなければならない。米作単作地帯の巨大地主は江戸期における長期かつ広範囲の土地集積によって形成された。江戸期型諸家は事実として新田開発に関係したが、すでに巨大化した後であり、開発結果がより一層の巨大化を促がしたとみるべきであろう。 触れるべき論点は多くあるが、対象の巨大さと史料的制約から研究はいまだ不十分である。生成過程をめぐる諸問題と共に、今後巨大地主の展開過程の究明が続けられなければならないであろう。
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