研究課題/領域番号 |
62510216
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
西洋史
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研究機関 | 京都産業大学 |
研究代表者 |
中山 昭吉 京都産業大学, 外国語学部, 教授 (60065753)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1988年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1987年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
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キーワード | ポーランド啓蒙思想 / ドイツ啓蒙思想 / ポーランド分割 / 18世紀ポーランド / 啓蒙思想 / レシチンスキ / コナルスキ / フランス啓蒙思想 / ポーランド先駆的啓蒙思想の成立 / ポーランド初期教育改革事業 |
研究概要 |
先ず、前年度のコナルスキ研究で充分になしえなかったポニャトフスキ統治初期の国民教育委員会(1773年)の設立過程を重点的に考察・検討した。これにより、啓蒙君主ポニャトフスキ統治初期にポーランド啓蒙思想が確立をみる背景を裏付けるとともに、コナルスキの役割がたんにポーランド啓蒙思想の成立に限定できない、側面を検証する機会を持った。その結果、コナルスキの人物像を従来以上に明確化しえた。 これに次ぎ、当該年度に集中的になした研究はポーランド啓蒙思想の成立過程におけるドイツ系文化の役割を再検討したことである。この時期は外来ザクセン王朝時代に該当する。この複合民族国家で少数民族を構成したルター派ドイツ系都市民による文化的貢献に着目し、分割の国内的前提をこれに求める立場で試みた研究については、以下の諸点を成果としてあげたい。 1.ポーランド系著作家の全般的動向に即するかぎり、この時期に再活性化の気運をみ、土着カトリック的ポーランド系文化の飛躍的発展を通税的立場で立証できたが、ドイツ系文化の不在性も証明されうる。 2.これまで比較的無視されてきたこの複合民族国家内でのドイツ系文化の動態分折(定期刊行物・ポーランド全般と首都ワルシャワ関係文献)によるかぎり、ドイツ系文化は健在であり、その再活性化も容認でき、ポーランド啓蒙思想の成立過程での役割は決定的といいうる。 3.ポーランド分割の国内的前提を文化史的側面から考察すれば、分割前において伝統的ラテン文化の継承をめぐリ土着カトリック・シュラフタ的ポーランド系文化と外来ルター派ドイツ系都市文化の主尊権争いが注目される。こうした両極化ポーランド・ドイツ両系2大文化が対抗化する過程で分割の必然性を把握することも可能となりうる。
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