研究概要 |
1.本研究は〈A〉歌枕名所の基礎的本文資料の整理を行い, 〈B〉その索引(あいうえお別・国別・類別)の電算編集の二段階の工程を要するので, 〈A〉の資料整理からはじめた. 従前, 博捜したカードとフィルムからの原稿への転記が主なる作業となるが, 当初3万項目と見込んでいた項目数は作業をすすめると4万項余に及んだ. ともかく, 平安朝から近世末までの重要諸本の殆どの歌枕名所を類聚しえた. (この作業のため安価な複写機と穿孔機が能率的な働きをしたが, 予定外の出費であるのでお許しいただきたい). 2.〈B〉の索引は歌枕項目4万項を入力すると索引項目12万項が編集されるが(のベ1.6万項), 科研費配分額の上から, 本年度は歌枕項目1万8千項を入力編集し, 索引5万8千(のべ7万6千)項を編集することができた. 3.業者選定については, 当初, 大日本印刷CTS事業部に発注する予定でいたが, 極めて高額のため, 在仙の針生印刷に変更した. プログラミングが確かで良心的であり安心して委託することができた. 4.しかしながら, 科研費配分額の点から〈A〉の4万項余の全ての索引作成はできず, 45%にとどまる. 従って, 残余の55%の索引編集をぜひとも完成いたし度く, 昭和63年度の科研費を申請するに至った. 5.年度内研究発表として本報告書記載の二篇を発表し, また他の発表も予定しているが, これらは本研究の〈A〉の資料篇の一部にすぎない. 索引はその性格上, 全資料の電算編集の完成の後, 書物として刊行し, またフロッピーをコンバートし, データーベースとしての方図を考えている. 即ち, 後者は国文学研究資料館に寄託し, 公開活用を意図している.
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