研究課題/領域番号 |
62510255
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
英語・英文学
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研究機関 | 法政大学 |
研究代表者 |
河野 徹 法政大学, 第一教養部, 教授 (40061080)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1988年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
1987年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | イディッシュ語 / 英語 / 相互作用 / 融合言語 / 混成語 / 英語風イディッシュ語 (Yinglish) / 「アシュケケナジー英語」 ("Ashkenazic English") / 語用論的側面 / 相互作用(インタープレイ) / 英語風イディッシュ語(Yinglish) / 「アシュケナジー英語」("Ashkenazic English") / 語用論的側面。 / (インタープレイ) / 俗語 / 統語法 |
研究概要 |
昭和62開始年度末には、研究課題について400字詰め原稿用紙75枚の紀要論文を発表することができた。この論文は、インディッシュ語の歴史的・分化的背景、音韻・形態・統語の三面で英語との間に生じた相互作用、さらにユダヤ形アメリカ人の言語生活を特徴づけている語用論的側面 (とくにユーモアとアイロニー) を扱ったもので、昭和63終了年度始めに、その抜刷およそ100部を先輩・同僚諸氏に配付して批判をあといだことろ、幸い好意的なコメントと激励が寄せられた。 (終了年度研究実績報告書参照) 本研究を進めながら新たに得た知見として、次の4点をあげて置きたい。 1 上記論文の第一章 「インディッシュ語の発達」 を書きながら、新融合言語成立の諸必要条件を確認するとともに、10世紀以降ラインラントで急激に進行したが方言分裂が、触媒として作用したことを知った。 2 階級闘争を重視するブンディズムと民族的・宗教的独立を標榜するシオーズムの拮抗が、言語面ではインディシズム対ヘブライズムの葛藤につながった、という常識に反して、労働運動を母体としたアメリカン・シオニズムは、むしろイディッシュ文化の振興を図った。その歴史的意味は大きい。 3 英語の文型にイディッシュ語やヘブライ語をはめこむ所謂 「アシュケナジー英語」 の実例に接し、英語を骨格とするユダヤ系新融合言語の可能性を考えさせられた。 4 英語に乗り移ったイディッシュ的諸要素を、統語法と語用論の側面から概括した。本研究関連の第二論文では、アイロニー表現を中心にこの試みをさらに拡大深化させて行きたい。 本研究と並行に、ユダヤ学関連の論考3編をまとめ、イディッシュ文化関連の翻訳を仕上げることができた。 (研究成果報告書はしがき参照) 二年間の研究補助に改めて謝意を表したい。
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