研究課題/領域番号 |
62510257
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
英語・英文学
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研究機関 | 関西学院大学 |
研究代表者 |
笹山 隆 関西学院大学, 医学部, 教授 (90046904)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1988年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
1987年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 悲劇 / ギリシャ悲劇 / エリザベス朝悲劇 / アリストテレス / カタルシス / 演劇理論 / ギリシア悲劇 |
研究概要 |
悲劇に関する古今の理論を個別的に検討し、その根幹をなす思想あるいは構造概念に従ってそれらを分類・整理したあと、そのそれぞれがギリシャ悲劇ならびにエリザベス朝悲劇にどのように有効に適用され得るかを具体的に考察することによって、これら二つの種類の悲劇間の本質的類似と異同を明らかにすることが、本研究の目的としたところであった。同時に普遍的な悲劇のヴィジョンと構造の可能性を探る意図もそこに含まれていた。悲劇論の分析に当たって次の点に焦点を絞った-- (1) アリストテレス 『特学』 に定義された 「行為」 と 「性格」 (2) 悲劇的壮大と悲劇的快感 (3) カタスシスの意味と媒体 (4) パトスの形態と意味 (5) キリスト教と悲劇の可能性 (6) 悲劇と日常的悲惨事の関係。 (1) に関しては 「行為」 と 「筋」 の関係、 「行為」 における選択のはらで論理性に関して考え方の違いが大きい。 (2) と (3) を関連させて捉えるべきか否かは意見の別れるところ。 「カタルシス」 と'Purging''Parification''Clarification'のいずれかと理解すべきかには諸説がある。 (6) ではR.Willams,G.Breretoonの考え方が一つの出発点になる。 上の考察内容を現実の作品に即して再吟味した結果を問題点ごとに略述する。 (1) 葛藤 (agon) :これはギリシャ悲劇には不可欠ではなく、 『語学』 にも言及はないが、エリザベス朝悲劇では必須。 (2) 個人対存命。ギリシャ悲劇はこの関係をexploreし、エリザベス朝悲劇は、exemplifyする。 (3) 知と情感:悲劇の受容経験には新しい認識を通じて獲得される知の面と、情感を通じて感動至る面がある。 (4) 意味と無意味のアンビヴァレンス:ギリシャ、エリザベス朝ずれの悲劇を問わずパトスの究極的意味の不可知性が全体を支配している作品が多い。
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