研究課題/領域番号 |
62520030
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
政治学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
伊東 孝之 北海道大学, スラブ研究センター, 教授 (30002140)
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研究分担者 |
秋野 豊 筑波大学, 社会科学系, 助教授 (70142677)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1988年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1987年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 第二次大戦 / 戦争目的 / 連合国 / ソ連 / 外交資料 / ペレストロイカ / 第2次世界大戦 / ソ連外交 |
研究概要 |
2年間に互ってソ連(関係がある限りで東欧諸国を含む)の外交資料の調査を行ない、成果の取りまとめに着手した。調査した資料は、公文書9点、回想録6点、研究書37点、ペレストロイカ文献49点である。ソ連が1978年に第2次大戦中の一連の外交文書の刊行に踏み切ったのは、おそらく正規の外交書集が1939〜41年という難しい時期の文書の刊行にさしかかったので、この時期を飛び越して先により問題の少ない第2次大戦中の文書を刊行するためであったと思われる。新資料は多くの未公開文書を公にしたものの、戦争目的政策に関しては新しい観点を裏付けるようなものを含んでいない。ソ連の戦争目的政策には、ユーゴスラビアのパルチザンに対する援助、バルカン諸国に関するいわゆるパーセンテージ協定、ドイツの分割、フランスの処遇、中国との関係、対日戦後処理などに関して強い勢力圏的発想が見られるのが、新資料はそれを裏付けるものを系統的に除いているだけではなく、資料集にそれを否定するような序文を付している。ペレストロイカ文献は夥しい数にのぼっており、注目すべき見解の多様性を示しているが、大多数はなお新聞雑誌論文という形であり、資料の刊行はほとんど進んでいない。外交史の見通しはいわゆる歴史の見直しの一環であるが、他の分野と比べると遅れがちである。外交史において関心が集中しているのは1938〜39年、すなわち第二次大戦勃発期であり、戦争原因論・責任論が中心である。なかには戦争勃発に対するソ連の関接的責任を示唆するレビジョニスト的見解を唱える論文も現われている。同様の傾向の論文は少数ながら第二次大戦期、戦後冷戦期についても現われている。外交史の見直しについては国内少数民族、また東政同盟国の側からの圧力も働いているものと思われる。ソ連における外交史研究は今後多様性を強め、大きく発展することが期待される。
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