研究概要 |
62年度4月から7月にかけて, 対外政策について書かれた既存研究(これには個々の国々の対外政策について書かれたものと対外政策についての理論研究および実証研究を含む)を収集し, その分析を行った. 62年度8月から対外政策の理論分析についての執筆を開始し, 12月までに「対外政策の意味合い」「政策決定過程理論」「外交政策と国内利益団体」「国内政治と対外政策」「国際システムと対外政策」等のテーマについて素稿をまとめた. この間, これまでの対外政策についての研究成果を生かし, 『国際問題』9月号に「アメリカ政治の構造変容と利益団体・ロビイスト」と題する論文, 『レヴァイアサン』創刊号(1982年秋, 木鐸社より出版)に「米国経済の再建の政治と外交と題する論文をそれぞれ寄稿した. 63年1月から3月までは, 日本の対外政策について歴史的および実証的データを収集すると同時に, 外務省, 通産省, 防衛庁などの実務家とのインタビューを通じて補足データを収集した. 3月上旬から下旬にかけての2週間, 他の研究プロジェクトを利用し, 米国ワシントンに出張して, 米国の対外政策の決定過程について米国通商代表部, 国務省, 国防総省, 商務省の実務家および米議会関係者とのインタビュー調査を行い, 貴重な実証的データを収集した. 本研究プロジェクトは当初2年にわたるプロジェクトとして申請したため, 「対外政策の理論分析と日本のケーススタディー」についての単行本の原稿を未だ完了するには至っていないが, この2, 3ケ月中(遅くとも6月の末までには)これまで執筆した各章の素稿に手を加え, 内容を充実させて, 出版可能な状態までに持っていくと同時に, 「国家の属性と対外政策」「安全保障政策と対外経済政策」および「日本の対外政策についての章を書き加えて原稿を完成させる予定である.
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