研究概要 |
1. 研究目的 生存時間モデルはカプラン・マイヤーによるノンパラメトリック推定量の研究やコックスによる比例ハザードモゲテルの研究で飛躍的に発展したが, 生存時間モデルの問題点を理論的に研究することが研究目的である. 2. 研究計画 稲垣・磯貝は単独または共同で以下のテーマの研究をする. (1)稲垣は生存時間データ解析には必ず伴って起こるデータの打ち切り問題を研究し, 特に比例ハザードモデルでデータに打ち切りがある場合の統計的推測の理論的研究を行う. (2)白旗はカブラン・マイヤーのノンパラメトリック推定量の漸近分布について研究する. (3)磯貝は生存時間データを寿命モデルに適合させ寿命解析を行うとともに, 寿命解析諸方の実効性の比較研究を行う. 3. 研究成果 (1)稲垣は打ち切りを時間的な射影として考え, 打ち切りを伴うデータに対して漸次打ち切り推定法を導入し, レーマン対立仮設に対してこの方法が有用であることを示した. (2)白旗はノンパラメトリック寿命解析法の統計プログラムを作成し, 計算機実験によっその実効性を比較した. (3)磯貝は分布が正規分布からずれた場合の判別方法について研究し, データ解析における多変量正規分布の役割について論じた. (4)研究の考察と反省 近年導入された生存時間モデルは理論的研究が十分でなく, とくに打切を伴う生存時間モデルの研究が必要.
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