研究概要 |
1.郵送調査(1)許可を得て大蔵省法人企業統計調査調査票(法人名簿)を目的外使用して資本金1億円以上の全メーカー1462社に対して, 自社製品をそこを通じて販売させる目的で出資・設立した販売会社(以下販社という)を有するや否や, 有するとすればその有し方(総販社か地区販社か)について調査した. 回収率80%. 販社を有するメーカーの割合30.4%は1970年より5年毎の28.8, 40.6, 29.9の各%と, 1975年を例外として, 大差はない. しかし, 総販社が減少し, 地区販社を有するメーカー数が増えていることは, 面接調査結果をも考え合せて, 低成長下で総販社の役割が低下し, 市場問題が激化したことをうかがわせる. (2)販社を有するメーカーに対して, 昭和60年の親メーカーの販社への売上げと販社の売上げ(いずれも産業連関表6桁分類に対応)を調査. 回収率65%なるも, 大規模メーカーほど回答率が高いので, 販社を有するメーカーの経済に及ぼす影響を, 下記の面接調査より得た生産期間, 工数, 流通期間のデータを合せ用いることにより, 十分計測できることとなった. 2.面接調査 乗用車, 家電等の19本社と28製造事業場に次の項目について調査した. 本社では親メーカーと販社の間の関係を示す財務諸表, 後者の前者に対する存在理由, 親メーカー・販社・小売店・消費者間の流通期間が, 製造事業場では以下について最近5年間の変化の数値が, 把握できた. すなわち, ロットを考慮に入れた生産期間, 原材料・仕掛・完成品の各在庫期間, 工数, 生産期間と工数を変化させた要因とその寄与率である. この5年間の製造事業部の関心は, 受注から完成品の引渡しまでの時間的長さを, 各種の在庫を圧縮しながら, 如何にして実現するかに集中している. この時間的長さの短縮に著しいものがあることが数値的に把握できた. なお, 同じ調査を昭和67年度に実施する予定である.
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