研究課題/領域番号 |
62530034
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
経済事情・政策学
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研究機関 | 札幌学院大学 |
研究代表者 |
廣江 彰 札幌学院大学, 商学部, 助教授 (80181197)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1989年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
1988年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1987年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 技術革新 / 競争条件 / 縦の競争関係 / 横の競争関係 / 下請関係 / 独自の価値実現力 / 下請単価設定 / 専属取引 / 取引先分散化 / 自立化 / 技術水準 / 指し値 / 見積もり合わせ / 価格交渉力 / 下請収奪 / 競争力 / 中小企業ME化 / 価格形成 / 下請単価 / 資本循環 / 再生産 / 特別剰余価値 |
研究概要 |
中小企業における技術革新要因として、とりわけわが国にあっては中小企業をめぐる競争条件を指摘すべきである、というのが本研究の第一の結論である。しかし、競争条件とは仕事の受発注関係、取引関係、もしくは「親と子」といわれてきた下請関係の具体的態様、そこでの力関係の有り様が具体的内容をなしている。本研究で着目したのは、仕事の受発注関係といういわば縦の競争関係と、さらに同業の中小企業相互でのいわば横の競争関係の双方である。したがって、技術革新の促進要因はそうした二つの関係によって規定されることになる。しかし、そのうちの横の競争は、下請取引という限定を与えると、明らかに縦の競争関係に対しては従属的な位置にあり、それゆえ主要な要因は下請取引における力関係、すなわち発注単価に他ならない。このような下請関係という構造の中では、親企業の発注単価が絶えざる切り下げが中小企業の利潤率低下をもたらし、それへの対応として特別利潤の取得を目的とする設備投資-近年ではそれが技術革新としておこなわれた-が進行し、技術水準を高めていったという連関が成立している、というのが本研究の第二の結論である。 ところが、中小企業の全てが下請であるわけではないし、まして近年においてはいわゆる「自社製品」を持った、「自立」型の中小企業が増加しているとさえいわれる。「自社製品」、「自立」の内容的な検討は不可欠であるが、ここでは非下請中小企業が流通、厳密にいえば商品の価値実現過程における自律性を持たないケ-スの多いことが問題である。 中小企業が独自の価値実現力を持たず、したがってそれを前提に技術水準の向上を契機に利潤の極大化をはかろうという企業行動が起き、総体としての技術革新がもたらされるが、その直接の契機が親企業の下請単価切下げにあるというのが本研究の結論の核である。
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