研究課題/領域番号 |
62530061
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
財政学・金融論
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研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
居城 弘 静岡大学, 人文学部, 教授 (80022276)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1988年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1987年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
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キーワード | ドイツの金融 / 兼営銀行 / ユニバーサルバンク / 金融の証券化 / 金融の国際化 / 金融システム / ドイツ金融制度 / 銀行流動性 / ライヒスバンク / 銀行の海外進出 / 海外銀行 / 植民地銀行 |
研究概要 |
金融の証券化と国際化は、現代金融の顕著な特質をなす。本研究の課題はそれを規定している現代的な契機と条件を金融システムと関連させて解明し、現代金融の根本的な問題点を摘出することである。金融の証券化と国際化は今世紀初頭の古典段階にも著しい進展を示した。この段階の規定要因は、産業構造高度化、資金需要の長期・大規模化、証券制度と銀行信用の新展開、ポンド体制の動揺と世界市場競争の激化であった。その典型・ドイツ型金融システムの流動性確保は古典段階の最大の問題であった。現代金融の証券化と国際化の規定要因。1.経済成長の鈍化、資金需要の減少、貸付資本の過剰蓄積の結果、新たな資金循環の形成を促したこと、2.各国財政危機ファイナンス目的の国債投資増大による証券化の進展とマネーフロー変化を端緒契機とする。更に3.銀行・金融機関が余剰資金の運用拡大を新規領域貸出に求めた結果、リスク増大を回避する手段として、貸付債権の証券化とその流動化が迫られたこと、4.自由金利商品の創出も金融資産の累積を促した、5.現代の金融機関は証券化の影響で総じて、銀行・証券・投資業務を兼営しドイツ型銀行・金融システムへの接近・傾斜を強めたこと、6.国際化の進展については、ドル・国際通貨不安の深刻化とユーロ市場の拡大、新たな国際金融市場への各国金融市場の統合化の進展が規定要因である。かくて現代の金融システムの問題点は、金融取引の肥大化と証券化が実物取引と再生産規模の拡大テンポを越え、自立的展開を示していること、これらは現代の通貨供給メカニズム・管理通貨制に支えられ、ドイツ型金融システムの広がりの中で、流動性リスク回避の可能性を増大させるものの、国際金融市場の統合化と資本移動の緊密化は逆の不安定化の契機をも内包・増幅する。国際的な金利、物価、為替安定の成否にとり、国際的政策協調の展開が重要な意義をもつゆえんが明らかとなる。
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