研究課題/領域番号 |
62530062
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
財政学・金融論
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
有賀 健 京都大学, 経済研究所, 助教授 (60159506)
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研究分担者 |
谷川 寧彦 岡山大学, 経済学部, 専任講師 (60163622)
池尾 和人 京都大学, 経済学部, 助教授 (00135930)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1988年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1987年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | メインバンク / 株式相互持合い / 長期契約 / 本人=代理人問題 / 情報の非対称性 / 金融仲介 / 金融業の産業組織 / 証券業と金融業 / ユーロ市場 |
研究概要 |
本研究では、企業金融における金融仲介機関の持つ情報機能を日本の企業金融の制度的特徴を踏まえて統一的に理解するための模型分析が中心となった。研究においては、戦後1970年代史までの日本の企業金融にみられる三つの定型的事実、すなわち〔1〕銀行貸出しの優位と貸出し市場の不均衡(信用割当て現象)、〔2〕主要企業と主取引銀行の間にみられるメインバンクの関係、及び〔3〕上記のメインバンク関係を含む主要企業グループ内における株式の相互持合い、について以下のような視点で統一的な理解を与えることが出来た。第一に、貸出し市場における信用割当て現象を株式市場も含む企業金融全体の中での情報の非対称性に基づく均衡割当て現象として説明する。企業(=経営者)は、株式調達において道徳的危険による、銀行貸出しにおいての逆選択に基づくAgency Costを支払わねばならず、市場均衡モデルでは、上の二要素を考慮した最適調達比率が存在することが示される。第二に、このような調達比率を、新株発行(道徳的危険の費用を行なう)なしに実現するためには、銀行による株式持合いが一つの解決を与えることを示す。第三に、銀行は上にあげたような静学的にみた最適調達比率を実現するために使われた株式持合いと、巨額の貸出しを背景に経営監視・介入権を非経営者株主から委任され代行することによって、倒産がもたらすのと同様の誘因づけを経営者に対して与えると共に、デフォルトにおける、企業利潤に対する既存の分配ルールの修正(特に賃金カットや人員削減等)を条件に、倒産回避策を提供する。このような経営介入・資金難企業の救済パッケージの組合せは、最終的な倒産申告権を銀行が留保しており、条件次第では実行にコミットすることで、有効に働きうることが示される。
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