研究概要 |
まずノルム形式で表わされる単数については, 正則クンマー拡大の場合にnの構造を明らかにすることができ, 非正則クンマー拡大の場合にも, 生成元がある種の条件を満たすとき同じような構造をもつことがわかった. これらの結果を, ハンブルグ大学の数学雑誌に発表する予定である. 次に不分岐アーベル拡大の構成については, 円分体とそれと独立な2次体との合成体を, 2重2次体の単数を使って構成できるかどうかを考え, 全く簡単で初等的な判定法を与えることができた. 特に円分体それ自身の単数によって不分岐拡大を構成しようとするとき, ベルヌーイ数と円分体の部分体の次数との関係が明らかにされ, 興味深い結果が得られた. これらの内容をいま論文にまとめている. 最後に今年度の科学研究費を使って, 他大学の教官に出張を依頼し, その研究発表, 討論の機会をもつことができて, 誠に有意義であった.
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