研究概要 |
有限群の応用, 特に有限幾何とその自己同型群の関係を中心にして研究した. 有限幾何学の一分野であるアダマールデザインを作るここと, それらを同値に分類するにはどうしたらよいかを研究した. いままでに分類の方法として, アダマールデザインの自己同型群を計算するものがあった. これは代数学と深い関係でアダマールデザインの性質を表すことができた. しかし, この方法に大きな欠陥があることが見つかった. すなわち自己同型群が自明であるアダマールデザイン(アダマール行列)の存在を発見した. 自己同型群にかわる方法を研究した. つまり, アダマール行列に対して, 計算可能なK-行列を新しく定義した, この不変量にあって, 同じ自己同型群を持つ多くのアダマールデザイン(アダマール行列)を発見し, そのK-行列を求め, 分類した. これは大きな研究実績である. 特に24次のアダマール行列の分類は完成されていたと信じられていたが, これは不完全であり新しい24次のアダマール行列一つを発見して, 24次アダマール行列の分類を完成した. このK-行列はアダマール行列の分類に今後重要性を持つ不変量と考えられる. ひきつづきこのK-行列の研究を続けることは十分意義のあることである.
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