研究分担者 |
村井 隆文 名古屋大学, 教養部, 助教授 (00109266)
三宅 正武 名古屋大学, 教養部, 助教授 (70019496)
佐藤 健一 名古屋大学, 教養部, 教授 (60015500)
岸 正倫 名古屋大学, 教養部, 教授 (40022545)
松本 幾久二 名古屋大学, 教養部, 教授 (90023522)
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研究概要 |
本研究の目的は, 対数型ポテンシャルの持つ性質を精密に調べると共に, 周辺分野への広がりを研究することである. 先ず, これまでの合成型の対数型ポテンシャルに関するいくつかの結果が拡散対数型核のポテンシャル論的性質による特徴付けから, 自然な反映として理解出来ることがわかった. その特徴付けは, 半完全最大値原理を満たすこと及びチャージ0のポテンシャルの無限遠点における正則性である. この議論から, 対数型ポテンシャル核が作るある種の加法族で, ポテンシャル核の摂動の方法を考察することが出来, ハント核の場合と同様に, 対数型核による近似を考察出来るようになった. これは, ディリクレ核と核の対数凸性を調べるのに有効である. しかし, この摂動の方法は, 調べなければならない多くの課題を残している. 一方, この議論を対称空間に制限する時, フルステンベルグ理論がポテンシャル論的に理解出来ることがわかる. 対数型ポテンシャルの理論を深め, 周辺分野への広がりを議論する為に, 以下の函数論, 確率論, 偏微分方程式論の研究成果は, 大いに有効で, 示唆に富むものである. 函数論の方向では, コーシー変換のノルムを用いて, 集合の解析的容量の評価を与えることに成功した研究, ピカールセットに関する著しい研究である. 特に, 対数ポテンシャルをモデルとする対数型ポテンシャルの研究に取って, コーシー変換の詳細な研究成果は不可欠である. 確率論の方向では, 正軸, 負軸の指数分布から混合とたたみこみで定義される分布のクラスの単峰性とモードの位置を論じた研究, 偏微分方程式論の方向では, 解析関数を係数とする作用素のなす環上の行列式論とコーシー問題に関する研究である.
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