研究概要 |
本研究の目的は, 幾何, 物理・工学における変分問題を中心に, 微分方程式などを大域的に解析することにあった. 代表者は, 調和写像, 極小曲面, および, それらに対応する非線形放物型偏微分方程式の解の構成と解の特異点集合の考察を行った. また, 調和写像などの変分問題においては, 対応した熱型方程式にある汎関数のオイラー方程式ー差分微分方程式ーがその近似方程式になることに気付き, その正則解など基本的研究を続け, 幾つかの論文の準備中である. 谷温之は連続体方程式の研究を続け, 圧縮性流体方程式の自由境界問題の解の存在を示し, 更に, ソ連のソロニユフ教授と研究を進めている. 石井一平は位相力学の研究からスパインなどの概念の発見にいたり, そこで見いだされた手法を用いて低次元トポロジーの研究成果を出している 林喜代司はハミルトン系の周期解の存在について決定的結果を出し, 物理の中に, 数学的に寄与出来ることを模索し, 物理学者との協同研究から, 成果をひきだしている. 立川篤は幾何にあらわれる非線形偏微分方程式を扱い, 調和写像の正則解を構成した.
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